小田急電鉄・ドコモ XR技術で新宿の新たな価値創造

新型コロナの影響で"街へ繰り出す""集う"というライフスタイルも変化を強いられている。街をつなぎ、人の移動を担う鉄道事業を核とする小田急電鉄は、バーチャルとリアルを融合する新技術を活用。街の魅力をアップグレードし、新たな顧客価値の創出を目指す。

コロナ禍で失った作品展示の
場をつくる

日本を代表するターミナル駅・新宿で新たなまちづくりが始まっている。バーチャルとリアルの融合で、街の魅力を再創出するプロジェクト〈XRシティTM SHINJUKU〉は、スマートフォン等を通し駅や街中で現実空間と連動したバーチャル演出を体験できる取り組みだ。小田急電鉄とNTTドコモが核となり、複数の企業や教育機関が協働し実現した。

昨年11月、第一弾として展開されたのが、人が同時に集まることなくいつでもアートやファッションを鑑賞できる〈XR Collection & Museum〉。文化ファッション大学院大学と多摩美術大学の学生の作品をバーチャルで再現。新宿駅に直結する小田急百貨店の1階中央口前でスマートフォンをかざすと、画面上でショーや展示を鑑賞できる。

小田急百貨店の1階中央口前(左)でスマートフォンをかざすと、学生が制作したデジタル彫刻が現れる(右)。画面には制作者のコメントも表示される

新型コロナの影響で展示会、ショーの開催が相次いで中止されるなか、ファッションやアートを学ぶ学生は、卒業制作など作品発表の場を失っている。こうした学生たちに機会を提供したこの取り組み。

時間や場所の制約を越えた、新たな作品展示、鑑賞のあり方を示すとともに、密を避ける都市空間の活用の可能性も提示した。

今年度は、商業施設でのリアルとバーチャルを組み合わせた謎解きゲームや、NTTドコモ社によるスマホARを活用した街の回遊を促進するアプリも提供予定だ。

仮想のランウェイに次々とモデルが現れる

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