観光庁の新政策プラン 来る需要回復に向け、全力で支援

2020年12月3日に開催された観光戦略実行推進会議において、「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を発表。コロナ危機下の最重要課題は、観光産業の雇用の維持と事業の継続支援だ。その上で、感染拡大防止の徹底、国内旅行の需要喚起とインバウンドの回復に向けた施策を準備する。

観光立国実現に向け、政府は「2030年に訪日外国人旅行者を6000万人に」という数値目標を掲げている。が2020年初頭から拡大したコロナ禍は、誰も経験したことがない「災害」であり、国は雇用調整助成金、持続化給付金などの施策によって厳しい事業環境下にある事業者に緊急の支援を実施。特に観光事業者に対しては、一次補正予算の緊急支援策としてハード、ソフト面の支援メニューをそろえるとともにGo Toトラベル事業で国内観光の需要喚起を図ってきた。

コロナウイルス感染の第3波が押し寄せる中、12月3日に発表された「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」では、「観光従事者の雇用維持と事業の継続の支援こそ最重要課題」と位置づけた。その狙いについて、観光庁観光戦略課長の小林太郎氏は、「まずは感染拡大防止策を徹底することが大前提としつつ、昨年7月から実施してきたGo To トラベル事業をさらに延長することで国内の観光需要を喚起し、観光事業者を支えていきたい。併せて将来的なインバウンド回復を見据え、コロナ禍で苦しむホテル、旅館、観光街等の再生を支援するとともに、国内外の感染状況等を見極めた上でのインバウンドの段階的復活の取り組みについても推進していきたい」と、施策の方向性を説明した。

小林 太郎(観光庁観光戦略課長)

観光拠点再生計画に基づく
面的支援を強化

同プランで掲げた5つの柱では、1次補正の支援策からさらなる充実を図るとともに、インバウンド回復を見据えた取り組みを強化した。1つ目は「感染拡大防止策の徹底とGo To トラベル事業の延長等」。事業者と旅行者双方の感染拡大防止策を徹底した上で、Go To トラベル事業を延長する方針を示した。

「国内観光、インバウンドの双方で、観光地で実施されている感染拡大防止策が目的地を選択する際の大きな決め手になっていることから、まずは感染拡大防止策を徹底することが重要」と述べ、感染防止対策の重要性を強調した。

また、ワーケーションの促進のため、送り手(企業)については、社内規定整備やテレワーク環境の構築などを、受け手(地域)については、WiFi環境、家族向けプログラムの整備など双方の環境整備や休暇取得促進を進める。その際、密を避けられるよう、旅行需要の分散化にも力を入れていくほか、企業と地域両者のマッチングの機会も設けていく。さらに2020年度中には企業による試行的な取り組みとして、少なくとも全国で10 件の事例を構築するとともに、国立公園200 カ所以上で受入環境整備などについても支援していく。

2つ目は、「国の支援によるホテル、旅館、観光街等の再生」。小林氏は「GoToトラベル事業後にも引き続き国内需要を喚起しつつ、インバウンド回復にもつなげていくため、将来的な投資を支援していきたい」と述べ、同プランの中でも重要な柱として位置づける。具体的には、地域等が策定する観光拠点再生計画に基づく計画区域を全国で 100 程度支援することとし、旅館、飲食店、土産店などを含む観光施設全体を改修・リニューアルして、上質な滞在環境等を実現できるようにする。改修に対する補助(負担割合:1/2)と同時に、経営革新や新たなビジネス展開などについて専門家の支援を受けられる制度を新たに創設することとしており、「政府系金融機関による融資制度の拡充も図り、地域全体をパッケージで支援していきます」と話す。

これらのパッケージの中には、地域の景観や治安の面で問題となっている廃屋の撤去や、地域の宿泊施設が共同で食事を提供するシステムなど、1事業者では実現が難しい課題についての協業の促進、図書館や公民館などにカフェを併設するなどして民間活用を促す取り組みなどについての支援メニューも含まれる。

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