モノから空間価値の提供へ スペースクリエーション企業への変革

壁紙、床材、ファブリックなどのインテリア商品を総合的に手がけるサンゲツ。ファブレスメーカーの先駆けとして、1万2000点超の商品を企画・開発・販売している。少子高齢化で新築住宅市場が縮小する中、2014年に社長に就任した安田正介氏は、三度の中期経営計画を経て事業基盤の再構築を進めている。

安田 正介(株式会社サンゲツ 代表取締役 社長執行役員)

手仕事から商売を広げ
革新的ビジネスモデルで急成長

サンゲツの創業は嘉永年間の1849年。表具師として「山月堂」の暖簾を掲げ、襖や屏風を貼る手仕事を家業として受け継いできた。

1953年に設立した「山月堂商店」

明治以降にふすま紙などの販売を始め、1953年に株式会社山月堂商店を設立した後は、創業家の強いリーダーシップのもと、日本の経済成長の波に乗って事業を拡大していく。また、住宅の洋風化に伴い、ふすま紙から壁紙や床材、ファブリックなどを先駆けて扱い始め、時代の一歩先を行く企画・販促のアイデアで大きく業績を伸ばしていった。

「自社で生産拠点を持たず協力企業に委託して製造を行う『ファブレスメーカー』という、世界的に見ても革新的なビジネスモデルを作り上げました。私は2012年から社外取締役の立場で経営を見てきましたが、ファブレスを活かした企画・開発力、それを起点とした販売・提案から配送までのサービスを一貫して行う総合ブランド力が、サンゲツの強みだと感じていました」と、同社代表取締役社長執行役員の安田正介氏は語る。

安田氏は、三菱商事勤務を経て2014年に創業家以外で初めて社長に就任した人物だ。

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