2020年9月号
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後継者が挑む 新事業のつくり方

中小企業5000社を自ら承継する 新たなビジネスモデルに挑戦

吉川 明(Yamatoさわかみ事業承継機構 代表取締役社長)

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「10年で中小企業5000社の承継者になる」というビジョンを掲げるYamatoさわかみ事業承継機構。さわかみ投信の澤上篤人会長の後押しを受け、同機構を設立した吉川明社長は、承継する会社の株式への「永久投資」や「経営シェアリング」など、独自モデルの確立に挑戦している。

吉川 明(Yamatoさわかみ事業承継機構 代表取締役社長)

「永久投資」を前提に事業を承継

――吉川社長は、自らが中小企業5000社の承継者になるという大きな目標を掲げ、新しいビジネスモデルの構築に挑んでいます。

吉川 事業承継問題の解決に向けた既存のビジネスには、数多くの課題があります。たとえば、出資者を主役とする投資ファンドは、3~5年で転売して年20%以上稼ぐのが目的ですから、持続性が保たれず、問題の根本的な解決にはなりません。また、中小企業はそれほど儲かるわけではありませんから、短期利益を追求する金融ビジネスとは構造的に相性が悪く、対象となる中小企業は1%以下に留まります。

M&Aも良策ではないと考えています。M&Aにおける主役はあくまで買い手企業であり、雇用や地域を重視する売り手の思いが大切にされるとは限りません。

事業承継を成功させるには、ヒト・モノ・カネの問題にパッケージで取り組む必要があります。金融機関はおカネの支援はできても、ヒト=経営者の問題は不得手です。最近は承継者となる人材を紹介するサービスも出てきていますが、マッチングは難しいですし、承継後に独力で中小企業を経営していくのも簡単なことではありません。

営利目的の既存ビジネスでは、事業承継問題の2%しか解決できないという限界があります。他方、残る98%の中小企業も日本のためには必要です。その98%のために、事業承継の新たなモデルを確立しなければならないと考え、2018年11月に設立したのがYamatoさわかみ事業承継機構です。

――具体的には、どういったモデルを構築されているのですか。

吉川 私は「事業承継には100超の問題があり、その1つでも解決できなければ承継は失敗する」と考えています。その上で、10年以上かけて独自に開発してきた解決策を、プラットフォームとしてパッケージで提供しています。

例えば、短期利益よりも社会問題の解決を優先する「SDGsソーシャルビジネス」、承継する会社の株式を転売無しで永久保有する「永久投資」、承継後も長期にわたって会社の経営を支える「経営シェアリング」等は、その一例です。

 

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