フェリシモ 社内に「部活」、独創を育む企業文化を次代に

市場調査はせず、一人ひとりの情熱を起点にする「パッション・ドリブン」で、ユニークな商品を開発し、成長してきたフェリシモ。創業家出身の矢崎和彦社長は、社内に「部活」を設けて、独自性を大事にする文化を根付かせた。そして、「フェリシモをもっと面白い会社にしたい」と語る。

矢崎 和彦(フェリシモ 代表取締役社長)

25番目の社員として家業に入社

――矢崎社長はフェリシモの3代目社長ですが、家業に入社した後、どのような経験を積まれたのですか。

矢崎 フェリシモは、オリジナル商品を中心に独自の視点でセレクトした商品・サービスを、カタログやウェブなどの独自メディアで販売するダイレクトマーケティングの会社です。もともと1965年に父が創業し、兄がカタログ通販として成長させてきました。

私が入社したのは1978年。まだ会社が小さかった頃で、私は25番目の社員であり、経営企画から商品開発、販売まで何でもやりました。事業が急速に拡大していた時期ですから、自分のやったことが次の結果につながっていく。そうしたサイクルの中にいたことは、自分の成長につながったと思います。

1987年には、当時無料で配布されるのが当たり前だった通販カタログを有料化し、書店販売を始めました。きっかけは、フェリシモの熱心なファンだったお客様の声です。地方在住の女性でしたが、その方は「書店で売られているファッション誌は、私の生活とは縁遠い東京の情報しか載っていない。それよりも、自分の生活を彩るアイテムを見つけられるフェリシモの通販カタログのほうが面白い」とおっしゃっておられました。それで私は、カタログを書店で売ることを思いついたんです。

それ以前から、女性誌やファッション誌に広告を出しても、効果は不透明なところがあって理不尽に感じていました。それで自分たちで装丁や記事の中身にもこだわり、見た目にも凝ったカタログをつくったんです。それを書店に置いたところ順調に売れて、新しいお客様との出会いを広げることができました。

 

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