街の美化を起点にSDGsに貢献へ 老舗「ゴミ袋」メーカーの進化

ゴミ袋で国内トップクラスのシェアを誇る日本サニパック。世界から称賛される日本の街の美化に貢献してきた同社は、持続可能な社会の実現へ、新しい挑戦を始めようとしている。

大岡川リバー&リバーサイドグリーンには、地元住民や企業、自治体、学生などが参加した

創業から約50年、
一貫して社会課題を解決

日本が世界から称賛されるほど美しい街を手に入れることができたのは、1964年の東京オリンピックの美化運動がきっかけだ。当時のゴミ回収は、各家庭の前に設置されたコンクリートや木で作られたゴミ箱の中からトラックにゴミを移し替えるのが主流。悪臭やゴキブリの発生が社会問題となっていた。こうした社会問題を解決するためのソリューションの一つとして誕生したものがゴミ袋だ。

1970年に創業して以来、日本サニパックは一貫してゴミ袋の製造・販売を行ってきた。こうした中、環境問題が深刻化していることなどを受け、ゴミ袋の提供を通じた日本国内の美化にとどまらず、SDGsに貢献する新しい挑戦を始めている。

SDGs達成に向け、共創を重視

SDGsを推進するためには多様なステークホルダーとのパートナーシップが重要となる。そこで同社は、11月上旬に横浜市と事業構想大学院大学が主催する「大岡川ひかりの川辺2019」と連動した川のゴミ清掃イベント「大岡川リバー&リバーサイドクリーン」を企画した。横浜市の水辺の活性化をするためには、水辺が綺麗であることが重要であり、美化を通じた地域活性化を狙いとしている。

さらに、2019年11月末には、今後の同社の貢献方法を検討するために、事業構想大学院大学と連携し、大学生やSDGsに関心の高いビジネスパーソンを巻き込んだアイデアソンを開催した。参加者から多数のアイデアが出される中、最終的には3チームから「ゴミ捨て場から綺麗な街づくり」「QRコードを活用したITゴミ袋」「集めたゴミを使ったエネルギー創出」といった街の美化のその先のSDGsに貢献する新しい事業アイデアが提案され、同社経営企画本部長の村山氏も「今日出たアイデアを基に新しい事業を立ち上げたい」と話す。

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