広がる日本語教育の市場 外国ルーツの子の学びを支援

海外から家族を帯同する移住者が増え、学校での日本語指導への需要が高まっている。グローバルラングは、四半世紀にわたり、様々な言語で日本語を教えられる講師を派遣。日本語を教え、日本での暮らしを支援するボランティアの育成にも力を入れる。

魚崎 宏(グローバルラング 代表取締役(中央))

海外から日本へと、人の流れがボーダーレス化すれば、様々なニーズが生まれる。例えば、海外から移住してきた人々の子どもの教育だ。文部科学省の調査によると、日本語指導が必要な外国人児童・生徒の数は、2016年5月の調査で3万4000人を超えた。2014年の調査より2割ほど増加しており、日本の国際化が進む中で、今後も子どもの日本語教育へのニーズは増えていくと考えられる。

グローバルラング(東京都渋谷区)は、1993年から外国にルーツを持つ子どもの学習をサポートするサービスを提供している。具体的には、教育委員会から委託を受け、日本語指導が必要な子どもが在籍する学校に、その子の母語で教えられる指導員を派遣する、というものだ。過去に対応してきた言語の種類は27、在籍している指導員は150人に上る。小中学校への講師の派遣は東京都内が中心だが、オンライン学習塾「Study-J」で遠隔地の子どもへの指導も提供する。

グローバルラング代表取締役の魚崎宏氏は、「先生や友達の日本語を理解できるか否かが、学習や生活の質、ひいてはその子の将来を左右します。子どもが学校に適応するためのサポートを提供してきました」と説明する。

世界各地の言葉で日本語を教える

魚崎氏は大卒後、日本企業に英語研修を提供する企業でキャリアをスタートさせた。時はバブルが始まろうという時期で、企業内の英語研修の需要が大きく、それを提供する英会話学校などもビジネスを拡大させていた。その後、海外研修の経験を経て、外国人向けの日本語教育に関心を持つようになり、日本語講師の傍ら、日本語学校の経営に関わるようになった。

バブル崩壊により日本語学校の経営から手を引く企業が増える中で、1992年に独立し、グローバルラングの前身であるヒューマンリレーションを設立した。同社では現在、児童・生徒向けの学習支援のほか、日本に赴任してきた駐在員、技能実習生など向けの日本語研修や、通訳サービスなども提供している。

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