メルカリ、海外人材獲得の強み 多国籍チームを支える企業文化

2018年10月に入社した新卒50名のうち、外国籍が44名。メルカリは近年、新卒でもグローバル採用を本格化させている。優秀なエンジニアをめぐり、世界的な人材獲得競争が繰り広げられている中で、メルカリが海外人材を引きつける理由とは――。

奥田 綾乃(メルカリ 新卒採用担当)

フリマアプリを提供し、右肩上がりで売上げを伸ばしているメルカリ。2017年4月時点で500名強だった社員数は、この2年で3倍近くに増えており、現在では1600名以上にのぼる(2018年12月時点)。

社員の多国籍化も進んでおり、出身国は30ヵ国超。2018年からは、新卒でもグローバル採用を増やしている。新卒採用担当の奥田綾乃氏はこう語る。

「メルカリが新卒採用を本格的に始めたのは2年程前。その際は国内がメインでしたが、並行して台湾でも選考会を開催しました」

日本人・外国人を含めて、新卒で採用するのはエンジニアが中心だ。メルカリは成長戦略において、AIをコア技術に位置付けている。メルカリが目指すのは、テクノロジーを活用し、捨てられていたものが必要とされる人に届けられる世界を実現すること。インドや中国をはじめ世界に視野を広げれば、AI等の高度なIT技術を有する人材はたくさんいる。外国人材を積極的に採用することは、メルカリにとって競争力の源泉になるのだ。

メルカリはAI技術の強化を進めている。2019年3月に導入された「写真検索機能」にもAIが活用されている

海外でハッカソンを実施し、
メルカリの認知度を高める

メルカリは通年採用を行っており、2018年10月に入社した新卒50名のうち、外国籍は44名。2019年4月には50名の新卒が入社し、そのうちの7名が外国籍だ。

米国の巨大IT企業は言うまでもなく、中国企業や一部の日本企業など、国境を越えて人材の獲得に動いている企業は多い。メルカリは米国に進出しているものの、現時点ではグローバルに知名度やブランド力が高いわけではない。そうした中で、優秀な学生にアプローチするために独自の取り組みを進めている。

2017年10月には、インド・ムンバイで理系の大学生・院生を集め、アイデアと技術力を競うハッカソンを開催。1位2500ドル、2位1500ドル、3位1000ドルの賞金を設定し、上位10位までを日本に招待するなどの好条件を提示した。

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