2019年5月号
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地方創生の実践へ 議会質問のヒント

伝えるべき「地域ブランド」が不在 シティプロモーションの課題

牧瀬 稔(関東学院大学 法学部地域創生学科 准教授)

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自治体のシティプロモーションは、ブランドがない状態で進められている傾向が強い。その結果、多くの自治体が所期の目標を達成できずにいる。また、議会質問の傾向を観察すると、「地域ブランドランキング」関連の質問も見られるが、誤った理解に基づいているケースもある。

シティプロモーションの前に
地域ブランド

「営業するコンテンツがないのに、わが社は営業活動をしている」と聞くと、多くの読者は「何を言っているのか分からない」と思うだろう。ところが、多くの自治体のシティプロモーションは、冒頭の発言そのものである。

地域ブランドという売り込む素材(商品)が明確でないのに、多くの自治体はプロモーション活動(営業)に勤しんでいる。何もない状態でシティプロモーションを推進しているのだから、当然、成果はあらわれない(「失敗に終わる」と言える)。

マーケティング(経営学)では、セールス・プロモーションの前にはブランド構築が必須と説かれている。ブランドの構築とは、何を売るかという商品(財やサービス)に加え、企業のイメージブランドもある。ところが、自治体のシティプロモーションは、ブランドがない状態で進めている傾向が強い。その結果、多くの自治体が所期の目標を達成できずにいる。

筆者が自治体のシティプロモーションに関わる時は、最初に地域ブランドの構築を進める。もちろん、ターゲット層を明確にしたうえで、そのターゲット層に即した地域ブランドの形成を意識する。地域ブランドが確立した上で、シティプロモーションを展開したほうが成功の軌道に乗る傾向が強い。

今回は「地域ブランド」が議会でどのように取り扱われてきたかを確認する。

図表1 都道府県における「地域ブランド」の質問回数

出典:全国47都道府県議会議事録横断検索

 

議会質問における 「地域ブランド」の動向

議会において「地域ブランド」が取り上げられた動向を確認する。図表1は、過去に各都道府県議会において「地域ブランド」が取り上げられた回数である。北海道がかなり多い。

その理由は、北海道は地域ブランドが豊富にあるからである。また、栃木県や茨城県も多い。両県は、株式会社ブランド総合研究所の「地域ブランド調査」に関する質問等が多い。同調査は2006年から開始されている。そして両県はランキングが低い状態で推移している。

図表2は各都道府県議会における「地域ブランド」の質問回数の推移である。趨勢的に増加してきた様子が見られる。

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