2019年5月号
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地域特集 香川県

香川大学 産学連携の課題を乗り越える「新しいデザイン」

片岡 郁雄(香川大学副学長 イノベーションデザイン研究所所長)

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2018年10月、香川大学が産学連携の新組織を設置。イノベーションデザイン研究所は、オープンイノベーションのプラットフォームとして、「組織」対「組織」の連携を一体的にマネジメントする。それは、従来の産学連携の課題を乗り越える試みだ。

高松市内にある香川大学・幸町キャンパス。産学官連携統括本部が置かれている

近年、多くの大学で産学連携が進められている。しかし企業や地域と大学の間を隔てている壁は思った以上に高く、どのような連携ができるのか、そもそもどこに相談すればよいのか分からないという声も聞かれるのが現状だ。

そんな現状を打開するため、2018年4月と10月に立ち上げられたのが「香川大学産学官連携統括本部」と「香川大学イノベーションデザイン研究所」。産学官連携統括本部では外部からの問い合わせ窓口を1つにまとめ、すべての連携活動について一元的管理と指示系統を明確化した。

イノベーションデザイン研究所では教員個人では対応できないような、多角的な共同研究や事業化プロジェクトについて、必要に応じて学内外でのチーム編成や、進捗管理やマネジメントも担当する。ただ、研究所自体の施設等は存在せず、マネジメントに特化したいわばバーチャル組織だ。

大学と企業の関わり方を大きく変える可能性を秘めたこの取り組みについて、イノベーションデザイン研究所所長の片岡郁雄氏(香川大学副学長)、同統括マネージャーの松木則夫氏(香川大学研究戦略室副室長)、同プロジェクトマネージャーの永冨太一氏(香川大学産学連携・知的財産センター長)に話を伺った。

全学でデザイン思考に取り組む

これまで香川大学の産学連携のほとんどは、1企業に対して1教員が個人で関わるという形で進められてきた。しかし近年、課題がより複雑・高度化し、個人では対応が難しいケースも増加。そのため、それぞれの課題に対して、部局単位ではなく全体を見渡して対応できる適切なチームを編成し、組織対組織の対応を可能にする必要があると判断した。それを実現するために学長直轄で立ち上げられたのが、イノベーションデザイン研究所だ。

その設立に先んじて2018年4月には、大学の社会連携の窓口を一本化している。以前も外部からは産学連携や生涯学習など、種類もルートも様々な依頼が寄せられていたが、限られたリソースで対応せざるを得ず、機会を逃すことも多かったという。それらの依頼をワンストップで取り扱えるように整理することが、イノベーションデザイン研究所の立ち上げにもつながっている。

同じく同年4月に工学部が「創造工学部」という新しい学部に改組されたことも関係している。同学部では、従来の学問領域に縛られない教育が目指されており、ユーザー中心の共創手法であるデザイン思考が採り入れられている。デザイン思考は、香川大学全学におよぶコンセプトであり、イノベーションデザイン研究所もその流れの中にある。

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