2019年2月号
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地域特集 岡山県

倉敷だけでない岡山の魅力 県北部の地域資源群を活かす智慧を

嶋田 淑之(ジャーナリスト、産業能率大学兼任教員)

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人口の過半が集中し、産業の中核を担う「製造業」、拡大が期待される「観光業」がともに南部・岡山倉敷地域に集中する岡山県。人口減少・過疎化が進む中北部の地域資源群をどう活かし、地域の創生へと結びつけていくか。南北格差克服に向けて、政策的な“智慧”が今問われる。

岡山県でも顕在化する
「南北問題」

かつて「南北問題」といえば先進国と途上国の経済格差の問題だった。ところが、地方創生が政策課題となって以降、都道府県単位での地域内人口・経済格差という文脈で語られる機会が増えた。

代表例は、京都府、三重県、茨城県であり、人口・産業が南北いずれかに過集中し、逆側は人口減少・過疎化が深刻化している。奈良県・和歌山県や、岐阜県・滋賀県・兵庫県でも同様の問題が指摘される。

そして実は、岡山県もまた今後「南北問題」が深刻化するのではないかと懸念される。なぜなら、県南部の岡山・倉敷両市に県人口の約62%が集中し、両市と隣接エリアを除く県土の大部分(=中北部、特に中山間地域)が、既に「過疎地域」もしくは「過疎地域を含む市町村」になっているからである。

社人研推計でも、2010~2040年の30年間における人口減少が、「岡山倉敷地域」の9.3%に比し、「その他の地域」では29.4%となっており、対策は急務なのである。

県産業の重心は
歴史的に県南部臨海エリア

岡山県は「フルーツ大国」と称されることも多く、実際、桃やぶどうなどは、品種によっては全国1位の産出額を誇っている。しかし、県の産業構造から見てみると、1次産業就業人口比は全国平均を下回っており、同県産業はむしろ2次産業比率の高さで特徴づけられる。2次産業の中核をなすのは「地場産業」と「臨海工業地帯」である。

倉敷市の水島地区を中心に、臨海工業地帯が形成されている Photo by Tatushin

まず「地場産業」に関しては、江戸時代から干拓が進んだ児島湾一帯で、塩分に強い綿作が始まり同地に繊維産業が発展。「足袋」、続いて「学生服」で岡山県は全国トップシェアとなり、今では「ジーンズ」の“聖地”として世界に向け存在感を示している。

また、干拓地の広大さから機械化が指向され農機具製造業が盛んになり、現在、全国上位のシェアを有する製品分野もある。さらに、県東部の備前市では、伝統産業の「備前焼」が人間国宝を輩出しつつ今も健在だ。

一方、「臨海工業地帯」は、倉敷市の水島地区を中心に、自動車・鉄鋼・石油化学・石油精製・造船の順でウェイトが高い日本屈指の重化学工業地帯である。

生産拠点の海外移転が進み“空洞化”も指摘されているとはいえ、県製造業が岡山倉敷地域と周辺の臨海部に集中していることはたしかである。

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