日本で一番、「小屋」を売る会社 隈研吾氏とのコラボも実現

「小さな空間」には「大きな可能性」がある。隈研吾氏とコラボして生み出した「小屋」で、グッドデザイン賞を受賞した植田板金店。同社は、新ビジネスとして小屋事業に進出。岡山市内に国内最大の小屋展示場をオープンするなど、事業を拡大させている。

植田 博幸(植田板金店 代表取締役社長)

シンプルライフが好まれる昨今、「小屋」が密かなブームとなっている。離れの書斎や趣味のガレージ、仕事部屋や店舗、各種教室、起業スペースなど、小さな空間の使い方は様々。日本で一番、小屋を売る会社として注目を集めているのが植田板金店だ。

植田板金店は、1976年に岡山市で創業。屋根・外壁などの工事を手掛け、累計7万3000戸の施工実績を誇る住宅外廻りのプロ集団だ。現社長の植田博幸氏は2代目であり、2010年に経営を継いで以来、植田板金店は8年連続で増収を記録している。

しかし、市場環境を見ると、新築着工棟数は今後10年で約30%の減少が見込まれる。そうした中で、植田板金店が新ビジネスとして始めたのが小屋事業だ。

国内最大の「小屋」展示場

植田社長が小屋に注目したのは2016年、たまたま手に取った雑誌に小屋の特集が掲載されていたからだ。小屋ならば、自社の職人たちで質の高いものを作れるとともに、板金業ならではの課題を解決することができる。その課題とは、板金業は屋根・外壁工事が中心なので、雨の日には作業ができないこと。また、今後、職人が減っていく中で、若手の育成も大きな課題だった。

小屋ならばコンパクトなので、オフィス1階の倉庫スペースで作れる。雨の日は小屋づくりを仕事にすれば、若手の育成機会が生まれ、閑散期の対策にもなって職人を雇いやすくなる。

『小屋やさん』は、豊富なデザインの小屋を揃えており、標準ラインナップだけで約410種類にのぼる

2017年1月、植田板金店は小屋事業部を設置。当初は、植田社長自身も小屋が売れるという確信はなかったという。しかし、イベントに小屋を出展したところ、大きな反響があった。手応えを得た植田社長は同年6月、『小屋やさん』のブランド名で本格的に事業をスタートし、さらに岡山市内に国内最大の小屋展示場『小屋の森』をオープンした。

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