2018年4月号「SDGs×イノベーション」完売!
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人口減少が進む全国の自治体は、大都市圏から地方への移住を誘致しようと懸命だ。一方、欧米など海外諸国に流出した高度専門人材の地方移住をいかに促進するかも大きな課題である。そうした人材こそが、地方を起点として日本全体の創生に寄与し得ると期待されるからである。
文・嶋田 淑之(ジャーナリスト、産業能率大学兼任教員)
金澤智玲 オーベルジュ異人館オーナーシェフ(左)。オーベルジュは家族で経営している
2017年、ポルトガルのリスボンから霧島市に移住して『オーベルジュ異人館』をオープンした金澤智玲氏(51)は、海外から地方へと移住した高度専門人材のひとりである。
「私は福島県出身の栃木県育ちです。東京でフランス料理修業をし、“ヨーロッパで一流のシェフになる”ことを夢見て、スイス、フランス、そしてイタリアのレストランで働きました。その後、駐ポルトガル日本大使の料理人を務めたあと、オーナーシェフとしてフランス料理店(懐石料理をモチーフとしたジャンルを問わないレストラン)を開業し、リスボンで25年間を過ごしました」。
金澤氏は、若き日の夢を実現し、ポルトガル全土のベスト10シェフ(ノージャンル)に毎年選出され続けていた。しかし、50歳を迎えるに当たり、これからの人生で何をなすべきか自分のミッションに想いを馳せたという。
「日本で力を発揮したいと考えました。料理の世界だけを見ても、ポルトガルには世界中から意欲的な若者たちが集まってきます。それと同じことを日本でできれば日本の料理の世界を変革することになるし創生につながると考えるようになったのです」
金澤氏は、生産者に近いところに立地することが重要だと考えた。なぜなら、鮮度や種類などを考えると、そこにいないと使えない食材も多いからだ。
「鹿児島県は、阿久根市周辺に日本の魚種の約8割が集まりますし、農畜産業でも日本有数の地域です。中でも霧島市は、食材となる1次産品の種類の豊富さと質の高さに加え、自然環境への人の手の入り方がちょうどよくヨーロッパを髣髴させる点が魅力です」
オーベルジュとは宿泊機能をもったレストランで、金澤氏はフレンチをベースにした料理を提供する。
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