2018年7月号
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「共感」「共創」による地域プロデュース

奥日光「老舗土産屋」 次世代のために新事業へ挑戦

鶴巻 康文(三本松茶屋専務取締役)

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創業百年余、奥日光最古参の老舗茶屋として古くから旅人たちの立ち寄りどころとして親しまれてきた三本松茶屋。日本有数の観光地にて、観光物産・飲食事業などを行い、順調な業績を上げてきた同社だが、専務取締役の鶴巻康文氏は地域への危機感から3つの事業を新たに立ち上げた。

鶴巻 康文(三本松茶屋専務取締役/ふるさとグローバルプロデューサー修了生)

「私が実家に戻った頃には、地元銀行が破綻して老舗と言われた旅館が続々と潰れ、民事再生などが行われていました。それまでの経営者がいなくなり、建物は同じでも全く違う生き物になっていくのを感じました。街としての体裁は保てますが、人が入れ替わるわけですから、文化が変わります。そうすると、今、大学に通うなどしている子供世代が戻ってくる場所を失うのです。そのために何かしなければなりません。これが、私が新しい事業を創ろうと考えた出発点です」

「誘客」「稼ぐ」、目的別に
日光ブランドを生み出す

鶴巻氏は2016年から3年間で3つの新規事業を起こした。その一つが食品製造事業であり、現在その中で自社工場においてクラフトビールの製造を行なっている。その原点には同氏がこれまで携わってきた2つのビールがある。最初に取り組んだものが、山椒の香りが豊かなビール「日光山椒プレミアム」だ。同商品は、インターナショナル・ビアコンペティション2011で最高賞の金賞を受賞し、日光市の地域ブランドにも認定されている。

考案したのは2009年。日光二荒山神社中宮祠のご神職より、境内に自生している山椒を使って何かできないか相談を受けたことがきっかけだ。鶴巻氏はジンジャーエールが生姜で飲料を作れることに着想を得て、伝手のあった小さなビールの醸造所である栃木マイクロブルワリーに相談。山椒を使った新しいビール造り協力への快諾を取り付け、試行錯誤の末、完成までこぎつけた。奥日光でしか買えない商品を作って地元観光の誘客に繋げたい思いがあったというが、成果は中々でなかったという。

「当初は発泡酒のイメージが悪く、全然売れませんでした。しかし、1回限りと決めて出品したインターナショナル・ビアコンペティションで奇跡的にも金賞を受賞したところ、新聞やテレビなどに取り上げられ、状況はガラッと一遍しました。最近では、一回飲んだ方が美味しかったからと、遠方からわざわざ買いに来てくださるほどです」

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