吉本がグラミン銀行と異色のタッグ 社会課題を解決する笑いの力

人を惹きつけ、社会課題を笑い飛ばすエンターテインメントの力。吉本興業が始める新しいプロジェクトは、47都道府県に住むお笑い芸人とスタートアップ企業、地域住民などが一体となって地域にイノベーションを創出しようとしている。

ユヌス・よしもとソーシャルアクション概要発表会見の様子。ユヌス氏に似たキャラクター・ユヌスくんの左がムハマド・ユヌス氏、右が新会社ユヌス・よしもとソーシャルアクション代表取締役社長の小林ゆか氏

貧しい女性などに少額を貸し付けるマイクロファイナンスを行うグラミン銀行の創設者であり、2006年にはノーベル平和賞を受賞したムハメド・ユヌス氏が、吉本興業と新会社「ユヌス・よしもとソーシャルアクション」を設立した。ユヌス氏は新会社の設立に際し、「コンサルタント会社などプロの知識ではなく、地元の人の知恵を絞って解決策を一緒に導き出す重要性です」と説明したうえで、「様々な人と力を合わせて社会の問題を楽しく的確に解決するように努力していきたい」と語る。

新しい社会貢献のあり方を模索

創業以来106年に渡り、笑いと希望を与えてきた吉本興業は、時代によって興行の形を変化させている。7年前の2011年からは、全国47都道府県に芸人が移住した「住みます芸人」をスタートし、地域活性化にも注力。地域ごとに異なる笑いのツボを掴み、地元では1万人を集める超人気者もいるという。

ユヌス・よしもとソーシャルアクションは、長ければ7年以上住み続け、地元の良いところ・悪いところを知り尽くし、人を明るく巻き込む力のある「住みます芸人」という経営資源に着目している。「住みます芸人」が、地域のステークホルダーである、地域住民や町長・村長、地場企業に加え、スタートアップ企業を巻き込み、それぞれが持つ視点や理想とする未来から逆算してアプローチを選択しようというものだ。ユヌス・よしもとソーシャルアクション代表取締役社長の小林ゆか氏は新会社について、次のように語る。

小林ゆか ユヌス・よしもと ソーシャルアクション代表取締役社長

「高齢化で年取ると、遠くに買い物にいけなくなりましたが、遠くに買い物に行かなくてもよいようにするなど、『課題となる社会』を『課題ではない社会』へ転換したいと思っています。

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