海運会社の新規事業は潜水艇 「面白いものづくり」で技術継承

横浜からグローバルに展開する海運会社の新規事業は、電気自動車と潜水艇。神奈川県の製造業の蓄積を生かして、誰も作れなかったものを製品化し販売する。ユニークなものづくりを通じて、若手に技能を継承していく。

今田 圭介(太洋産業貿易 社長)

国際貿易港である横浜を擁する神奈川県では、海上貿易を支える様々なビジネスが発達した。太洋産業貿易は、船舶輸送のオペレーションを手掛ける海運企業だ。船を所有し、船員を育成・雇用し、海の物流インフラを担っている。

海のインフラ企業の新事業

しかし同社には別の顔もある。海外と日本とを行き来してビジネスを行う船会社は、容赦ない競争にさらされている。為替相場や景気の影響も受けやすい。そのため、本業以外の新規事業を模索し、育成してきた。

1989年には、ネイチャーグッズの輸入販売業を開始。水族館や動物園、博物館がエンタメ化を進めるタイミングと一致したこともあり、リアルなぬいぐるみの製造輸入業は手堅い事業に成長した。「次は、もっと工業的な事業をしたいと考えていました」と今田圭介社長は話す。

新しい産業になるようなものを、と開発に着手し、2017年に製品化にこぎつけ、海外で注目を浴びた新製品が、2人乗りの潜水艇だ。2017年5月、同社はリヤドで開催されたWorld Luxury Expoに、個人向け潜水艇「JAPANG」を出品した。透明アクリルのドームで覆われたコックピットを持つ2人乗りで、動力は電気。1隻2億円するが、海外では既に3隻が売れており、2018年からは国内でも販売を始める。

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