大企業で得難い経験をベンチャーで 「レンタル移籍」が盛況

イノベーションを起こし、会社組織に変革を起こせる人材は、簡単に育成できない。新たな人材育成手法として注目が高まっているのが「企業間レンタル移籍」。大企業社員がベンチャーに移籍し、創造に必要なスキルとマインドセットを磨く取り組みだ。

原田 未来(ローンディール代表取締役)

ビジネスの0→1を実体験する

ローンディールが2015年9月にサービスを開始した、企業間レンタル移籍プラットフォーム「LoanDEAL」。人材育成をしたい企業(主に大企業)と人材強化をしたいベンチャー企業をマッチングし、大企業から人材をベンチャー企業に出向または研修派遣という形で移籍させ、大企業では得難いビジネスの0→1の立ち上げ経験や、創造と変革に必要なマインドセットを身につける。NTT西日本、トレンドマイクロ、NTTドコモなどの大手企業が、新規事業の担い手や次世代リーダーの育成を目的に続々と導入している。

ローンディール代表の原田未来氏は、卸サイトや決済サービスを展開するラクーンに創業間もない時期に入社、営業部長や新規事業責任者を歴任し、マザーズ上場も経験した。その後、2014年にカカクコムに転職しO2O事業開発を担当する。「当時、すでにカカクコムは人員800人程度の成熟したIT企業でした。フェーズの異なる2社を経験したことがLoanDEALの発想に繋がりました」と話す。

「ベンチャーと大企業のそれぞれに良さがあります。前職にいた頃に、もし半年でも会社を外から見る経験があれば、もっと面白いビジネスができたかもしれないと思いました。そこからレンタル移籍というアイデアが生まれたのです」

企業間レンタル移籍プラットフォーム「LoanDEAL」の仕組み

大企業の導入が拡大

実際にサービスを開始すると、予想以上の大企業からの反響に驚いたという。「オープンイノベーションや新規事業開発を推進するために根本の人材育成を見直したい、という声が多かったですね。失敗を恐れない、多様性を受け入れる、外交的で経営者視点を持つ、といったイノベーション推進人材は、分業化が進んでいる大企業には少なく、従来の研修でも育てにくいものです。経営者も現場も、人材を育てなければという危機感を持っています」

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