地域おこし協力隊に未来はあるか 制度を使いこなす視点が重要

今、多くの若者が、総務省が進める「地域おこし協力隊」の制度を活用し、地方に移住している。それは、多くの定住者を生んでいる一方で、地域での活動に疲弊する人も少なくない。協力隊OBであり、数々の地域プロジェクトを実現させてきた東大史氏が、協力隊の課題と可能性を語る。

村楽は、ローカルビジネスの拠点をつくるブートキャンプを開催。小屋づくりの一連の工程を体験できるワークショップなどを行っている

――東さんは岡山県美作市で地域おこし協力隊として活動し、一般社団法人村楽の設立に携わりました。村楽は、どういった経緯で始まったのですか。

東 もともと村楽は、地域おこし協力隊の1期生・2期生の横のネットワークとして、2011年に前身団体が発足しました。地域活性に取り組む実践者が集まり、お互いにノウハウの共有などを進めていたんです。

そして、そのメンバーが中心となり、2014年、新たな事業を展開する組織として一般社団法人村楽が設立されました。各地でローカルプロジェクトを推進し、地域イノベーションの創出を目指しています。

東 大史(村楽 理事)

地域の現場で起こっていること

――地域おこし協力隊について、課題をどう見ていますか。

東 地域おこし協力隊は1~3年の任期で、地域外の人が自治体の委嘱を受け、その地域に移住して活動します。どのような活動をするかは、地域によってさまざま。協力隊が果たすべき役割は、非常にあいまいです。

例えば、何をもって「成果」とするか、明確な定義がないまま活動しなければならなかったり、逆に目先の「成果」を求められ、打ち上げ花火的な活動に走って地元の反感を買ってしまうケースもある。

隊員は、自分自身が地域で何をしたいのかを突き詰めて考えないと、行政や地域の人に振り回されてフラストレーションを溜めることになります。

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