コンテンツを海外へ 版権ビジネス、市場が拡大

政府がクールジャパン戦略を推し進め、企業の取り組みも活発化。近年は、ゲームやアニメだけでなく、小説などの書籍コンテンツも含め、多様な形でコンテンツの海外展開が進んでおり、市場は確実に広がり始めている。

海外でも、日本のコンテンツは人気を集めている。写真は、日本文化を紹介する英国最大のイベント「HYPER JAPAN」 Photo by Cosplay Vogue1

日本政府は昨秋、環太平洋経済連携協定(TPP)を契機に、工業製品や農産物など従来の輸出品である「モノ」に加えて、コンテンツやサービスといった「コト」の輸出にも力を注ぎ、「新輸出大国」を目指すと発表した。

「コト」の筆頭は、書籍や漫画、アニメ、映像、ゲームの海外展開だ。こうしたコンテンツ産業の国内の市場規模は、横ばいが続いている。2015年9月、一般財団法人デジタルコンテンツ協会が発表した2014年の国内の市場規模は、前年比1.4%増の12兆748億円。同協会の調査で市場規模が最大だった2007年の12.9兆円とほぼ変わらない。

しかし、世界的に見るとコンテンツ産業は成長分野だ。新興国における所得の増加、デジタル化による流通の加速によって、市場は今後も右肩上がりで拡大していくと予想されている。

クールジャパン機構も積極投資

近年は日本でも、コンテンツ輸出の取り組みが活発化している。その旗振り役を担うクールジャパン機構は、コンテンツ関連企業に積極的に投資。これまでに、アニメの専門配信サイトを運営するアニメコンソーシアムジャパンに10億円、海外で漫画やアニメなどのクリエイター育成事業を展開するカドカワ・コンテンツ・アカデミーに4億5000万円、東南アジアで日本番組に特化した放送チャンネルを運営するWAKUWAKU JAPANに44億円、日本のポップカルチャーを世界に発信するTokyo Otaku Modeに15億円を出資した。

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