海外PRの新手法、多国籍のプロ集団が仕掛ける

多くの企業が、海外への情報発信に課題を抱えている。従来から行われてきた一過性のメディア露出や、展示会に頼らず、各国の「インフルエンサー」を活用するPR手法で注目を集めるベンチャーが、京都にある。

企業のグローバル・コミュニケーションを支援するアールト社。顧客には大手企業もおり、ACミランとAudiがミラノで競走する動画を活用したPRは、14ヵ国で実施。世界で300以上のメディア掲載を獲得し、視聴回数は約750万回超を記録した

Aalto International(以下「アールト社」)は、主にBtoBの領域で海外向けのPR支援を手掛けるベンチャーだ。創業者であり、日々、トップセールスで海外を飛び回る「切り込み隊長」でもあるという福井麻里子CEOは、「海外への情報発信は、漫然と流すのではなく、その価値を知る人物に届けてこそ真価を発揮する」と語る。

一過性の情報発信では不十分

2014年に創業したアールト社の拠点は、京都とシンガポール、ドイツにある。京都にある町家風オフィスの玄関を開けて最初に目に付くのは、スタッフの人種の多様さと、個人のデスクがないことだ。

「つながりを生み出すことが当社の理念であり、実務での姿勢でもあります。スタッフの専門分野は、経済、語学、工学などさまざまですが、採用にあたっては、コミュニケーションを得意とする資質を何よりも重視しています」

アールト社は、日本企業の海外向けPR支援を手掛ける。創業から2年、従業員数は30人足らずと小規模な企業でありながら、顧客にはすでに自動車、電子部品、電機等の大手も名を連ねる。

大手企業の信頼を勝ち得てきた秘訣は、アールト社のユニークな手法にある。

「日本企業から海外への情報発信は、一過性で一方通行のものが多い印象です。現地メディアを使って広報をしたり、展示会に参加したりすることが一般的ですが、散発的にそれらを実施して反響を待つより、最新情報を継続的に、的確な相手に伝えるための仕組みが必要です。当社は継続的な情報発信を可能にし、最終的には企業内にグローバル PR人材が育ち、活躍するような支援を手掛けています」

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