廃線危機のローカル線、躍進へ 過去最高の乗客数を更新

「鉄道業ではなくサービス業」を合い言葉に快走を続ける、えちぜん鉄道。各電車に女性アテンダントを配置し、接客を充実させるなど、数々の新サービスで、乗客数を伸ばし続けている。その取り組みに、全国からの視察も相次ぐ。

えちぜん鉄道は、福井市から勝山市、坂井市を結ぶ第3セクターの鉄道会社

各地でローカル線の経営は、厳しい状況に置かれている。そうした中で、乗客数で最高記録を更新している鉄道会社がある。福井市に本社を置く、えちぜん鉄道だ。2015年度の年間乗客数は約345万人、前年度から約16万人(前年度比104.9%)増を見込んでいる。

「北陸新幹線の金沢開業や福井県立恐竜博物館などへの観光客数増加のほか、さまざまな要因が重なっての数字です」

2013年より代表取締役を務める豊北景一社長は、そう分析する。黒字経営の理由は一つではない。住民目線で展開した数々のサービスが、実を結んだ成果だった。

当初はマイナスからのスタート

えちぜん鉄道が発足したのは、2003年のこと。2001年、前身の京福電鉄が2度の衝突事故により国土交通省から運行停止命令を受け、2年間、電車を運行できなくなった。乗客は代行バス利用を余儀なくされたが、交通渋滞が起きて遅刻も相次ぎ、「負の社会実験」とも言われた。

結果、バス離れが進み、鉄道の再建を求める声が強まった。こうした事態を解決するために設立されたのが、えちぜん鉄道である。住民による運動が行政を動かし、沿線自治体が出資する第3セクターとして復活したのだ。

しかし、1世帯当たりマイカー保有台数が全国1位の福井県において、鉄道の乗客数を増やすことは簡単ではない。しかも、経営陣は総入れ替えとなり、従業員の7割が鉄道未経験者。ゼロどころかマイナスからのスタートだった。

「鉄道業はサービス業。利用者目線でのサービスが一つずつ積み重なり、今につながっています」

豊北景一(とよきた・けいいち)えちぜん鉄道 代表取締役社長

豊北社長がそう語るように、それまでの鉄道会社にはなかった独自サービスを次々と展開し、起死回生を図ってきた。その一つが、女性アテンダントの起用だ。

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