2016年3月号
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未来をつくる新規事業の起こし方

「社是」「社史」が新規事業立ち上げの軸/三菱重工グループ

西村 勇也(ミラツク 代表理事)

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三菱重工グループが、新規事業として「プライベートウォーターシステム」を考案した。火力発電プラントの業務につく中、エネルギー情勢の変化に危機感を感じていた一社員が、経営層に直談判して始まった事業開発。新規事業立ち上げの軸は、会社の「社是」だった。

新規事業開発のポイント

「社是や社史からそもそもの存在意義に立ち戻り、現代に合わせたアップデートを行う」(三菱重工グループ)

 

今回からは「社会価値を組み込んだ新規事業開発」を実現している新規事業開発の実践者の事例を元に、事業構想の実現に向けた考え方、行動、企業で想定される壁の乗り越え方を紹介していく。

発電から水の循環へ

今回は、三菱重工グループの八木田寛之氏が取り組んできた、ビル内の水循環システム(プライベートウォーターシステム)を紹介し、同時に「社会価値を組み込んだ新規事業開発」を起こすための要点を見出していく。プライベートウォーターシステムは、人口密度が高い新興国都市部の高層ビル等を対象とし、建物内に最新の水処理・高度浄化・センシング設備を設置し、水を極限まで循環・浄化利用する。

圧倒的なまでの節水をしながらも、豊かな水と安心した暮らしを実現できる水の浄化と循環を提供する仕組みだ。八木田氏の基本業務は火力発電プラントの保守整備であり、長年、世界中の火力発電プラントを定期的に巡る日々を送ってきた。2015年は、約18.8万km(地球4.7周分)を移動し、14カ国訪れ、2007年以来8年間で累積移動距離が100万kmを超えている。

事業領域再編の危機感から生まれた新規事業

REN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century、本部パリ)の報告よると、世界の電力供給の状況は、2014年末時点で世界中の発電量の22.8%が再生可能エネルギーとなり(2013年末から0.7%上昇)、総発電量17億1200万kWとなった。特に、新規発電設備の容量(最大出力)では、風力5100万kW、太陽光3900万kWが新たに加わるなど、世界的なトレンドとして拡大傾向が続いている。

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