2016年3月号
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地方発の新事業モデル

自治体、市民を変える、地域経済分析システム「RESAS」の威力

早田 豪(内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局 ビッグデータチーム長代理)

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ビッグデータを活用し、地域の現状と課題を把握できる地域経済分析システム「RESAS」。リリース以来、自治体の地方版総合戦略やさまざまな施策の立案に役立てられ、住民や市民の間でも活用が拡大。地域デザインのためのツールとして存在感を高める。

データから得られる気付き

国や民間企業が有する、地域経済に関わるさまざまなビッグデータを集め、わかりやすく見える化するシステム「RESAS」(地域経済分析システム)。地方自治体が地域の現状を正確に把握した上で、将来の姿を客観的に予測し、実情やポテンシャルに応じた政策立案を行うことをデータ面から支援するため、2015年4月にリリースされた。

内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局ビッグデータチーム長代理の早田豪氏は、「私自身、地方自治体に出向した経験がありますが、必ずしもデータを活用した政策立案ができているというわけではありませんでした。RESASを活用すれば、地域の基幹産業だと思われていたものが実は競争力を失っていたり、行政マンも知らない企業が地域に大きな付加価値をもたらしていたりと、さまざまな気付きが得られます」と、RESASプロジェクトをスタートさせた背景を説明する。

早田 豪 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局ビッグデータチーム長代理

これまで十分活用されてこなかった国の各種統計だけでなく、民間企業の有するさまざまなビッグデータを無料で閲覧・利用できるのもRESASの特徴だ。帝国データバンク、NTTドコモ、ナビタイムジャパン、VISA、Agoopなどがデータを提供している。

「地方自治体が、これらの企業から個別にデータを購入すれば莫大なコストがかかります。それを、国がまとめて購入してRESAS上で提供することで、地方自治体はコストをかけることなく、それらのデータを利用することが可能となりました」

地域経済分析システム「RESAS」

効果の高い産業施策を立案

RESASはリリース後も順次マップや機能を追加しており、2016年1月現在で「産業」「地域経済循環」「農林水産業」「観光」「人口」「自治体比較」と6分野のマップから構成される。一部、自治体しか閲覧・利用できない「限定メニュー」があるが、ほとんどすべてを一般にも公開している。

例えば、自治体の産業政策立案に活用できる機能として、「産業マップ」の中の機能のひとつである「企業別花火図」がある(自治体限定メニュー)。これを活用すれば、地域外から収入を獲得し、地域内にそれを分配する「コネクターハブ企業」や、雇用創出・維持を通じて地域経済に貢献している「雇用貢献型企業」、利益及び納税を通じて地域経済に貢献している「利益貢献型企業」といった、地域経済への波及効果が大きい『地域中核企業』の候補をリスト化することができる。

「行政が予想していない企業が沢山入ってくるはずです。これらの企業は地域にとって伸びしろといえる産業分野であり、順にヒアリングして課題を発見し、それに対応した施策を講じていくことで、地域経済はまだまだ稼ぐ力を取り戻すことができるでしょう。実際、いくつもの自治体がこのリストをもとに、地域中核企業候補への訪問を始めています」

企業間取引データを活用した「産業別花火図」は、ある自治体内のある産業が、他の自治体のどの産業と結びつきが強いのかを客観的に把握することができる。自治体間の政策連携に役立ち、実際に石川県と福井県は、RESASを活用し、両県で結びつきの強い繊維産業を、共同で支援をする制度を創設した(2014年度補正予算「地方創生先行型交付金」を利用)。

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