日本初の「コスメティックバレー」へ 唐津市がフランスと連携

全国でも前例のない、化粧品産業の集積プロジェクトが佐賀県で始まった。コスメの本場フランスと連携し、化粧品原料の開発による農林水産業の活性化、グローバル展開支援などを推進。国際的クラスターの創造を目指す。

コスメの本場フランスを手本に、唐津市エリアは化粧品産業の集積を目指す Photo by David Monniaux

佐賀県唐津市及び玄海町を化粧品産業の集積地とする「唐津コスメティック構想」。2013年11月には、構想を推進するための産学官連携組織「ジャパン・コスメティックセンター(以下JCC)」が設立された。初代会長にはフランスの化粧品原料製造大手アルバン・ミュラー・インターナショナルの社長、アルバン・ミュラー氏が就任。地元の化粧品関連会社を中心に、佐賀県、唐津市、玄海町、唐津商工会議所、九州大、佐賀大などが参加する。

本場、フランスを手本に

同構想がモデルとするのは、フランスにある世界最大の化粧品産業クラスター「コスメティックバレー」であり、2013年に同バレーと唐津市で連携協定を結んだ。

「1994年に設立されたコスメティックバレーは、フランス中部のシャルトルを中心とした半径150キロメートル内に、化粧品メーカーをはじめ、大学、研究機関、工場などが集積し、一大産業クラスターを形成しています。ゲランの進出を契機として、サプライヤーなどが集まってきたのですが、今ではロレアルやシャネル、ディオール、資生堂といった名立たるブランドが軒を並べています」と、JCCのプロジェクトマネージャーを務める泉哲哉氏(元味の素化成品部部長)は説明する。

泉哲哉 ジャパン・コスメティックセンター プロジェクトマネージャー

さらに、周辺農家が栽培する植物から化粧品原料を抽出し、製造、検査、出荷までの一貫体制が確立されているため、地域経済の活性化と雇用の創出にも貢献している。地域全体の製品出荷額は年間2兆円を超すといわれ、フランスでは航空機に次ぐ有力な輸出産業に成長している。

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