おぢかアイランドツーリズム 2万人が訪れる「もてなしの島」
佐世保市から西に約60km、五島列島の北端、大小17の島々からなる小値賀町。高齢化率が40%を超え、急激な人口減少が進む当地で、島の雇用創出に向け奮闘しているのが、「おぢかアイランドツーリズム」だ。
「九州の小さな島の話だと思ってはいけません」
首都圏の大学に招かれて、学生たちに話をする際、小値賀観光まちづくり公社の高砂樹史社長は、こう語るという。同氏が取り組んでいるのは、「環境を守りながら、経済を成り立たせること」であり、高齢化、一極集中が進む日本で「自分たちの手で、自分たちの暮らしや未来をつくっていくこと」でもある。学生たちにとっても、他の人にとっても、決して他人事ではないはずだ。
長崎県北松浦郡小値賀町は、五島列島の北端に位置する大小17の島々から成っている。このうち集落のある島は6つ。同町の人口は、2692人(2014年9月末時点)で、もっとも多かった1950年の1万986人の24.5%にまで減少している。高齢化率は、43.4%(2010年)と高い。
この小値賀町で、2006年からスタートし、全国から注目されているのが「アイランドツーリズム」という観光事業であり、その中心人物が高砂社長だ。
移住先が無人島になる危機感
高砂社長は、2005年に自給自足生活を目指して、家族で小値賀島に移住してきた。大阪生まれで大学を卒業後、劇団員生活を10年間送った後、2年間、有機農法を学ぶ。Iターン先を探し、訪れた小値賀島が気に入り、移住することになった。
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