教師の派遣事業が社会を変える

経済格差は、そのまま教育格差であり、満足な教育が受けられない貧困地域の子どもたちは、生涯貧困から抜け出せない。その状況を変えたのがTeach For Americaだ。一人の女子学生が始め、今や世界に広がるその活動を追った。

Wendy Kopp
Teach For America 創設者/CEO Teach For All 共同創設者/CEO
Photo by Sebastian Derungs

グーグルやアップルを抜き、
就職人気ランキング1位に

4月。今年も大学を卒業したたくさんの若者が社会人としての第一歩を踏み出したことだろう。

大学生の就職先と言えば、日本の場合、大企業の人気が高い。終身雇用が昔のものとなった今でも、依然、安定した一流企業を志望する学生がもっぱらだ。これに対し、米国では、少し事情が違う。

もちろん、米国も有名企業の人気は高いが、2010年、全米就職人気ランキングの人文学系で、グーグルやアップル、ディズニーなどの有名企業を抑えて1位になったのは、ニューヨーク州に本部を置く教育系NPOティーチ・フォー・アメリカ(TFA)だった。同団体は、翌2011年、2012年も同ランキングの3位に入り、今や大学生の理想の就職先として、広く知られた存在となっている。

TFAは、「すべての子供たちが、優れた教育を受けられる社会を創ること」を理念に掲げ、米国の貧困地域や教育困難校の教育改革に取り組むNPO団体だ。

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