1番にこだわり、決して諦めないこと

ミドリムシの栄養価や付加価値に着目したビジネスで急成長する株式会社ユーグレナ。事業構想大学院大学のサロンスピーチに登壇した出雲充社長は、ミドリムシとの出会いや創業時の苦労、起業家へのメッセージを語った。

出雲 充 ユーグレナ代表取締役社長
1980年生まれ。2002年東京大学農学部卒業、同年東京三菱銀行(現東京三菱UFJ銀行)入行。2005年ユーグレナ設立、代表取締役社長に就任。

世界から栄養失調をなくす

私は多摩ニュータウンのごく普通の中流家庭で生まれ育ちました。社長になりたいという想いどころか、ベンチャーという言葉さえ知らない子どもでした。

転機の一つは、大学1年生で初めて海外旅行を経験したこと。珍しい体験のできるところがいいと考え、行き先は南アジアのバングラデシュにしました。当時ここは世界の最貧国の一つです。そこで私は、手足が非常に細くお腹の出ている子どもたちとたくさん出会いました。彼らは米をはじめとした炭水化物ばかりを食べ、タンパク質を摂っていないので筋肉が作れていない。いわゆる栄養失調の状態でした。

ミドリムシ(ユーグレナ)

彼らは空腹ではなく、炭水化物以外のあらゆる栄養素が足りないことに困っている。その光景を見た時、栄養失調を解決したいと強く思いました。大学に戻り、栄養価の高い食べ物や生物について研究を始めます。

そして大学3年生の時、藻の一種であるミドリムシ(学名:ユーグレナ)と出会いました。ミドリムシは植物なので光合成を行える。同時に、他の植物にはない素晴らしい特徴があります。それは動物のように動くこと。ミドリムシは光合成ができ、かつ動物の栄養素をも体内に作ることができる、唯一無二の存在なのです。

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