2013年9月号
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女性イノベーター50人の構想

M字型就業 脱却への課題

石田好江(愛知淑徳大学 副学長)

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20代後半から30代にかけ、出産・育児で就業率が低下する女性特有のM字型就業。世界の先進国がM字型就業から脱却する中、いま一歩抜けきれない日本。その原因と脱却へ向けた課題を、愛知淑徳大学副学長で社会政策学が専門の石田好江教授に聞いた。

復帰までの長いブランクが問題

――20代後半~30代の女性の就業は、どのように変化していますか。

最近ではM字型がだいぶ解消されてきており、30代の女性たちの就業率が高くなってきています。

石田好江教授(いしだ・よしえ)
愛知淑徳大学 副学長

ただ、同じ会社に継続的に就業している女性が増えたのかといえば、そうではない。国立社会保障・人口問題研究所が行った最新の出生動向基本調査(2010年度)を見ると、第1子が生まれる前に働いていて、1年後にも働き続けている女性は3割をきっている。

これは、約30年前とほとんど変わらない数字で、子どもを産む前に勤めていた会社に継続的に就業する女性の数は30年前とほとんど変わっていません。

M字型が解消されてきた原因は、1つは非婚・独身女性の増加。もう1つは不況による夫の失業や賃金低下で世帯所得を補填するために働きに出る女性が増えたことによります。

――そうした30代女性の就業傾向は他の国でも同じでしょうか。

出産でいったん退職する女性が多いという点では同じです。ただ、日本と大きく違うのは、一度辞めた後の復帰が早いことです。欧州でも、出産で一度仕事を辞め、その後パートタイムで働く人は多いですね。

典型的なのはオランダで、パートタイムでもほとんど正規社員と労働条件が変わらないので、育児と両立しやすいパートで働く女性の割合が大変高くなっています。他の国でも子育てが忙しい時期だけパートになり、終われば正社員で戻る。正社員→パート→正社員と働き方を変えていく働き方が多くみられます。

欧米では日本のように「パート=非正規社員」ではなく、同じ職種ならば時給は変わらず、単にフルタイムかパートタイムかの働き方が違うだけですので(逆にフルタイム・パートの非正規社員もありますが)、ライフサイクルに合わせて柔軟に変えることができます。ですから、例え最初の職場を辞めても、復帰が早いのです。日本の女性の就業における大きな問題の1つは、家庭に入ってから職場復帰するまでの長いブランク。復帰までに10年ものブランクがあくというのは、柔軟な労働体制が整っていないことを物語っています。

日本型正社員の見直しを

――子どもを産んだ女性が継続就業できない、なかなか再就職できない理由は?

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