伊藤園が茶葉を全量買い取り 契約栽培で茶産地育成と農家の経営安定へ
(※本記事は「食品新聞」に2025年8月17日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

伊藤園は、地域の茶産業を育成し持続可能な茶農業を促進するため1976年から茶産地育成事業を推進している。
茶産地育成事業では、各地の茶農家に伊藤園の求める茶葉を栽培してもらう契約栽培のほか、荒廃農地などを茶園の造園・維持・拡大に取り組む新産地事業があり、市町村や事業者をサポートしている。どちらも収穫した茶葉は伊藤園が全量買い取りをしている。
茶産地育成事業の展開面積は年々拡大し2023年に2512ha、2030年に2800haを計画する。
契約栽培の好例の1つが、静岡県・牧之原の農家からお茶を仕入れて伊藤園に出荷しているJAハイナン(静岡県牧之原市)とJAハイナン管内にある吉田町・牧之原市・御前崎市の茶生産者による三者契約栽培事業。
2015年に5haで契約栽培を開始し、11年目となる現在は、開始当初から60倍に拡大し300haに達している。

5月15日、牧之原に広がる40haの茶畑で清飲記者会の視察取材会に応じたJAハイナンの立石善也常務理事は「茶農家から茶葉を全量買い取っていただける契約栽培は、本当に産地維持と経営安定につながり非常に有益な事業。今後も引き続き契約栽培を推進していきたい」と意欲をのぞかせる。
JAハイナン管内の茶園は茶価の低迷や後継者不足で減少傾向にあり現在1300ha。このうちの300haが伊藤園との契約栽培茶園、100haがJAハイナン独自の取り組みとなるブランド茶「望(のぞみ)」用の茶園となる。
続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。
-
記事本文残り68%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。