食と農の未来耕す新拠点『食と農078』がプレオープン

2025年10月6日、JR西日本不動産開発株式会社と、事業構想大学院大学の修了生である西山志保里氏が代表取締役社長を務める株式会社078は、神戸・元町高架下の再整備エリアにおいて、食と農に特化したスタートアップスタジオ『食と農078』を2025年10月17日にプレオープンすることを発表した。大学院で描かれた事業構想が、鉄道会社との連携という形で結実し、地域に新たなイノベーションの拠点を生み出す。

美食とテクノロジー融合 日本の食の価値を再構築

『食と農078』は、神戸市元町高架通商店街(モトコー)に誕生する、食と農の未来を耕す新拠点。ガストロノミー(美食)とテクノロジーを融合させた「ガストロテック」を軸に、食と農の課題解決をビジネスチャンスと捉え、日本の食の価値と自給体制の再構築を目指す。10月17日に開催されたプレオープンセレモニーには、プロジェクトの関係者の他に行政などからも多数の出席者が参加。西山氏は、「“食と農”というテーマは、地域の未来と直結しています。ここを単なるシェアキッチンではなく、“出会いと共創のスタジオ”として育てていきたい。神戸から全国、そして世界へと“日本の食の価値”を発信していきます。」と意気込みを語った。

施設内には、起業家・生産者・料理人などが新メニューを共同で創作できるフードラボを整備。最先端の厨房設備を共有しながら、農産物の加工支援(六次化)、食のイベント、教育・ブランディング支援など多様なサービスを提供し、神戸の食文化と最先端技術を掛け合わせたフードイノベーションの創出拠点となることを目指す。

神戸北野ホテル・山口浩シェフが監修、一気通貫の支援体制

施設の「フードラボ」は、「世界一の朝食」で知られる神戸北野ホテルのオーナー兼総料理長、山口浩シェフが監修。料理人・生産者・研究者が集う"美食外交"の拠点として、技と知が融合した食体験を創出する。

また、施設内にはフジマック社の厨房設備、セミナールーム、ショールームも完備し、商品開発からテストマーケティング、販売までを一気通貫で支援する、全国でも珍しい複合型インキュベーション施設となっている。

大学院大学での構想から、官民連携のまちづくりへ

本事業を運営する株式会社078は、本学修了生の西山志保里氏が率いる、スタートアップ支援や地域共創事業で多くの実績を持つ企業。西山氏は、大学院大学で培った構想力を基に、これまでも神戸市内で50社以上の起業支援や、多数の官公庁委託事業を手掛けてきた。

今回の『食と農078』は、JR西日本不動産開発が進める高架下再整備というまちづくりの文脈に、西山氏の事業構想が合致したことで実現した。本学での学びが、地域社会の課題解決と新たな価値創造に繋がる、官民連携の好事例となる。 施設は2025年10月17日にプレオープンし、2026年2月頃のグランドオープンを予定している。