『創造的破壊の力』仏フィリップ・アギヨン教授がノーベル経済学賞

『創造的破壊の力ー資本主義を改革する22世紀の国富論』の主著者であるコレージュ・ド・フランスのフィリップ・アギヨン教授が、米ノースウエスタン大学のジョエル・モキイア教授、米ブラウン大学のピーター・ホーウィット教授とともに、2025年のノーベル経済学賞を受賞した。

『創造的破壊の力』はイノベーション理論がもたらす「創造的破壊」のプロセスと経済成長を促すメカニズムを解明した書。資本主義社会において、創造的破壊が秘める「成長を生み出す力」とともに、創造的破壊のかじ取り、イノベーターを輩出し、育てる社会的土壌、創造的破壊の負の影響を抑える方法等、持続的成長のエンジンとしての「創造的破壊」を包括的・多角的かつ綿密に明らかにしている。

日本では村井章子訳が株式会社東洋経済新報社より2023年に出版された。刊行直後より「失速した資本主義を回復させるために不可欠」「未来へのマイルストーン」「現代経済のダイナミクスを解剖」など、国内外から高い評価を得てきた。

著者
フィリップ・アギヨン…コレージュ・ド・フランス、INSEAD(欧州経営大学院)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授。ハーバード大学教授を経て現職。

セリーヌ・アントニン…OFCE(フランス経済研究所)エコノミスト、コレージュ・ド・フランス・イノベーションラボ リサーチ・アソシエイト

サイモン・ブネル…INSEE(フランス国立統計経済研究所)シニアエコノミスト、フランス銀行エコノミスト、コレージュ・ド・フランス・イノベーションラボ リサーチ・アソシエイト

村井 章子…翻訳家。訳書に、『絶望を希望に変える経済学』(日経BP日本経済新聞出版本部)、『良き社会のための経済学』(日本経済新聞出版社)、『善と悪の経済学』(東洋経済新報社)、『資本主義と自由』(日経BP社)などがある。