学研と京都大 共同研究の成果を事業化する新会社「Gerok」設立
学研ホールディングスとグループ会社のメディカル・ケア・サービスは2025年10月17日、京都大学との共同研究を基盤とする新会社「Gerok(ジェロック)株式会社」を設立したと発表した。Gerokは10月1日より本格的に始動しており、今後は共同研究の成果を社会に還元するための事業推進主体として、老化関連疾患の医薬品の実用化とともに、企業・研究機関とのアライアンスを通じた健康長寿社会の実現への貢献を目指していく。
学研グループの長期成長戦略
Gerokでは、創薬事業とヘルスケア事業を展開。創薬事業では、抗老化遺伝子として知られるα-Klothoの機能解析と、α-Klothoを活性化する低分子化合物の開発展開を軸に、老化関連疾患や希少疾患を標的とした次世代の医薬品開発を目指す。ヘルスケア事業では、創薬研究で得た知見を応用し、ヘルスケア製品の開発を目指していく。また、長期的展望としては加齢関連疾患、とりわけ認知症領域において、予防から治療までを見据えた研究開発事業を推進し、2030年までの社会実装を視野に入れている。
学研グループは中期経営計画「Gakken2025」において「ウェルネスサービス」を医療福祉分野の重点戦略領域と位置付け、健康寿命の延伸市場へのアプローチを推進している。その中で、老化研究の第一人者である京都大学の鍋島陽一教授と協議を重ね、認知症の予防・治療に関する共同研究を2024年10月より開始した。そこから得られた技術基盤を、より広く加齢関連疾患全般へと応用・発展させるべく、2025年4月に京都大学大学院医学研究科に「健康加齢医学講座」(寄附講座)を設置し、研究体制を強化してきた。そして今回、これらの研究成果を社会実装へとつなげるため、Gerokの設立に至った。