ホンダ発海洋スタートアップのUMIAILE 15億円を資金調達

海洋ロボティクス・スタートアップのUMIAILE(ウミエル、東京都墨田区)は2025年10月16日、総額15.75億円の資金調達を実施したと発表した。シードラウンドにおいて、インキュベイトファンドをリード投資家として、UntroD Capital Japanおよび本田技研工業を含む3社を引受先としたエクイティファイナンスを実施。また、みずほ銀行よりデットファイナンスを実施した。

UMIAILEは、ホンダの新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」から生まれたスタートアップ。「高度0mの人工衛星」というコンセプトを掲げ、水中翼を用いた独自の姿勢制御技術をコアとする小型無人ボート「UMIAILE ASV」を開発し、リアルタイムかつ大規模な海洋データの収集による「海の見える化」に挑戦している。2025年1月の創業以来、「UMIAILE ASV」のプロトタイプ機を開発し、産官学それぞれの分野における強力なパートナーと連携しながら急速に技術開発を進めてきた。

UMIAILEが開発した小型無人ボート「UMIAILE ASV」

一方で、その実現にあたっては、過酷な洋上環境で活動し続けるための耐久性、年間数千機レベルの量産技術、複数の無人機が協調しミッションを遂行するための群制御技術など、社会実装に向けた技術開発をより一層加速する必要があり、今回の資金調達に至った。同社代表取締役の板井亮佑氏は、「今回の調達はプロダクト開発や実証実験の加速にとどまらず、新たな仲間を迎えるための大切な基盤でもある。UMIAILEの挑戦は、多様な専門性と情熱を持つチームによってこそ実現できるものであり、その体制強化を加速していく」とコメントしている。