国交省、マンション標準管理規約を改正 総会決議要件を緩和

国土交通省は2025年10月17日、マンションの管理規約作成・改正時のひな型となる「マンション標準管理規約」を改正したと発表した。2025年5月に改正されたマンション関係法(区分所有法等)の、2026年4月施行に向けた対応だ。総会の開催手続きや決議要件、所在不明区分所有者の取り扱いなど、管理組合運営上の重要事項が含まれている。これに伴い、全国のマンションで管理規約の見直しが必要となる。

今回の改正では、総会決議における多数決要件の緩和が大きな変更点となった。特別決議についても出席者の多数決を可能とし、基本の総会定足数を議決権総数の「半数以上」から「過半数」に見直した。バリアフリー化による共用部分の変更などに係る決議の多数決要件は4分の3から3分の2に緩和された。また、新たなマンション再生手法である更新・売却・取壊しに係る決議要件を規定し、客観的な事由が認められる場合のマンション再生決議の多数決要件を5分の4から4分の3に緩和した。所在等不明区分所有者を総会決議等から除外する制度や、国内管理人制度の活用手続きも新設されている。

国交省によると、マンションを巡っては建物の高経年化と居住者の高齢化の「2つの老い」が進行し、様々な課題が顕在化しつつある。区分所有法では基本的事項が定められているが、より具体的なルールは各マンションの管理規約で定める必要がある。同省は改正後のマンション標準管理規約をホームページで公表し、各マンションでの規約見直しの際の手続き方法に関する留意事項も提示している。