教育や都市計画など活用幅広く VR技術が建築業界にもたらす包括的な未来

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2025年1月9日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

ローマの歴史的建造物
ローマでは2022年、ツアーバスの車窓に古代建築の復元を重ねるImperial Rome Virtual Reality Busのバーチャルツアーが開催された。

まだ建設されていない、理想の住まいに足を踏み入れることを想像してみてほしい。仮想現実(VR)技術は、建築に革命を起こしている。顧客は建設前に将来の空間を歩き回り、細部を調整し、空間をリアルに体験できるようになった。VRは想像と現実のギャップを埋める。 

しかし、この変革は美観だけにとどまらない。VRは建築家がデザインし、改良し、自分の作品を伝達する方法だけでなく、建築の学習や一般市民と協議の場といったものにまで多くの機会を提供する。

より良いコミュニケーションの促進

VRは建築デザインに明瞭さをもたらす。従来の設計図や3Dレンダリングで、主に空間の関係性や照明条件、素材の仕上げを伝えることができる一方、VRならばユーザーをリアルなシミュレーション空間に没入させることが可能だ。

顧客にとって、これは未来の住まいやオフィスに足を踏み入れ、調和を確かめ、さらに壁の色や家具の配置といったデザイン要素を、リアルタイムで変更できることを意味する。

間取りをバーチャルで確認する様子
顧客はもう想像力に頼ったり、自分が決めた結果の確認を、建設が始まるまで待ったりする必要はない。

このレベルの没入体験により、顧客と建築家の関係が変わる。顧客はもう想像力に頼ったり、自分が決めた結果の確認を、建設が始まるまで待ったりする必要はない。代わりにVRは、顧客にだけでなく施工チームにとっても、誤解やコストのかかる施工後の修正を最小限に抑える、協力的な作業環境を作り出す。

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