ALGO ARTISとユニオン建設、線路メンテナンス作業計画の高度化システムを本格運用
ALGO ARTISは、JR東日本グループのユニオン建設と共同で開発を進めてきた「線路メンテナンス作業計画の高度化」システムについて、本格運用を開始した。本プロジェクトは、JR東日本スタートアップが運営する「JR東日本スタートアッププログラム2022秋」への採択を契機に始まったもので、約3年の検証・改善を経て現場実装に至った。
鉄道の安全・安定運行を支える線路メンテナンスでは、年間・月間・週間と段階的に作業計画を具体化する必要があり、作業内容や線路使用条件、関係各所との調整など多くの制約条件を考慮しなければならない。ユニオン建設では、これらの計画業務を主に熟練担当者の経験やノウハウに基づいて策定しており、属人化や業務負荷の高さが課題となっていた。計画変更や緊急対応も頻繁に発生する中、情報共有や調整に多くの時間を要しており、計画業務の効率化・標準化が求められていた。
本システムの特長は3点ある。第一に、現場業務や制約条件への理解を深めるための継続的なヒアリング・検証を重ねて開発した独自UIにより、月間作業計画の可視化・標準化を実現した。第二に、複雑な制約条件をリアルタイムで確認しながら調整・確認業務の効率化やミス低減を支援する機能を備えた。第三に、AIによる部分的な支援と、人による最終判断・調整を前提とした「AI+人」の協働設計により、安全性や現場特有の判断を担保した実用的な計画策定を可能にした。
開発にあたっては、AI導入そのものを目的とするのではなく、現場業務への深い理解に基づいた「実際に使われる仕組み」づくりを重視した。操作性やリアルタイムチェック機能を備えた独自UIを開発し、現場で継続的に活用されるシステムとして実装している。
導入効果として、これまで多大な時間を要していた月間作業計画業務における確認・調整作業の効率化を実現し、担当者の業務負荷軽減や計画策定時間の短縮につながっている。また、業務プロセスの標準化によりノウハウの共有・蓄積が可能となり、特定の個人に依存しない運用体制の構築に寄与している。さらに、複雑な制約条件を考慮した計画策定を安定的に行える環境が整備され、ヒューマンエラーの抑制や確実な作業計画の実行を支える仕組みとして機能している。
ユニオン建設によれば、従来はExcelを用いた担当者の判断と手作業に大きく依存しており、作業量の多さや担当者の負担、ミスのリスクが課題だったという。本システムの導入により、操作性の高いUIとAIによるチェック・支援機能を通じて、作業計画業務の効率化とミス低減を実現した。JR東日本スタートアップも、プログラム終了時点では初期的なAIモデルの構築段階だったが、その後の検証・改善を経て本格運用に至った点を評価し、ALGO ARTISとの協業の深化に期待を示している。