技術評価の暗黙知をAIで構造化 ストックマーク「Aconnect」が判断プロセスの属人化を打破
国産生成AI基盤の独自開発およびビジネス向け生成AIサービスを提供するストックマーク株式会社は、2026年5月20日に製造業向けAIエージェント「Aconnect」の技術探索エージェントにおいて、新機能である「解決策比較β」を搭載したことを発表した。
製造業の研究開発(R&D)部門、特に既存製品の改善や事業部からの技術相談を担う部署では、解決策の選定は極めて重要な工程である。しかし現場では、技術的妥当性やリスクの判断が個人の経験や勘に依存する評価基準の暗黙知化、比較表が形式的に埋められるだけに留まるフォーマットの形骸化、会議ごとに評価軸が変わり前提のすり合わせだけで疲弊する議論の迷走、さらに「なぜ採用しなかったのか」という検討過程が蓄積されないプロセスの消失といった、技術評価のブラックボックス化が常態化していた。こうした要因により、特定のエキスパートに判断が集中する意思決定の属人化が引き起こされ、組織のスピードを削ぐ大きな要因となっていた。
技術評価の構造化と利点
「Aconnect」の技術探索エージェントは、膨大な論文やニュースから課題解決のアイデアを提示し、ロジックツリー形式で網羅性を確認できるツールである。今回新たに追加された「解決策比較β」機能は、それらのアイデアを「どの基準で、どう評価したか」という意思決定プロセスを構造化して表示することにより、技術選定プロセスの属人化や判断基準の不明瞭さの解消を支援する。新機能の導入に伴い、これまで「なんとなく良さそう」といった経験則に基づいていた議論が、AIの提示する評価軸に基づく構造的な比較へと進化し、議論の質が劇的に向上する。さらに、標準化されたフレームワークを活用することで、案件ごとにゼロから評価基準を考える必要がなくなり、会議のたびに発生していた前提のすり合わせ時間を大幅に短縮し、本来時間をかけるべき「選定」に集中できるようになる。また、最終決定の裏側に隠れて消えていた「なぜ採用しなかったのか」という検討プロセスがデータとして残るため、組織のナレッジとして類似案件での再議論や過去の失敗の繰り返しを防ぐ資産となる。これにより、一部の熟練者だけでなく、経験の浅い若手や非専門領域のメンバーも一定水準での判断・発言が可能になり、組織全体の判断スキルの底上げが実現する。
「AI BPR」の展望
ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明する」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用して多くの企業の企業変革を支援している。同社は独自の自然言語処理技術などを用いて、テキストだけでなく図面や仕様書、過去の判断ロジックといった複雑な知恵をAIが活用できる形へと構造化する。これにより、単なる効率化の枠を超え、人が本来注力すべき「価値創造」や「専門性の研磨」に没頭できるよう、業務プロセスそのものを再設計する「AI BPR(Business Process Re-engineering)」を推進する。AIが「停滞感を生む単純作業」を自律的に担い、人は「高付加価値業務」へとシフトし、「シゴトを心から楽しめる」状態を創り出すことで、日本企業の競争力を底上げしていく構えだ。