ジャパンディスプレイ 新センサ搭載スマートリングで見守りサービス開始

ジャパンディスプレイ(JDI)は、スマートリングによる健康見守りサービス「Virgo(ヴァーゴ)」の提供を開始すると2024年2月6日に発表した。

フレキシブル基板上に形成した有機光検出器(OPDセンサー)を搭載したスマートリングを開発した。OPDセンサーは新しく開発したもので、JDIの社内に蓄積されていた技術を活かし、2年半かけて製品化した。スマートリングとスマホアプリ、クラウドの連携により、心拍数、血中酸素、睡眠時間、歩数、消費カロリーなどのデータを自動的に取得する。OPDセンサーを導入することで、指輪として違和感のない装着感を可能にした。

今回事業化する、企業・団体向け「セルフケア」健康見守りサービス「Virgo」では、これらのソフト・ハードに加え、保健師などヘルスケア有資格者によるアドバイスや健康に関する情報を提供する。同サービスのトライアル提供は2月に開始する。

スマートリングの提供開始と併せて、JDIは、岡山大学、あいおいニッセイ同和損害保険、ヴェルトと両備ハッピーライフ両備健康づくりセンターとともに、運送・交通運輸業界のプロのドライバーを対象とした共同研究を開始することも発表した。両備グループでバスなどを運転するドライバーの運転挙動と、健康の相関性を明らかにするもの。「Virgo」のバイタルデータとあいおいニッセイ同和損保の取得した自動車走行データをあわせて、ヴェルトの因果関係推論AIなどで分析する。両備グループ社員の健康管理を担っている両備健康づくりセンターは60歳以上の被験者120人を募集し、健診情報や就業前点呼の健康チェック結果を提供する。岡山大学は、それぞれのパーソナルデータの保管・突合せ、運転挙動とバイタルデータの相関性の検証や、安全運転と関係するバイタルデータの検出を実施する。

スマートリングは小さいため、睡眠時も含めた長時間着用が可能で連続したデータが取得しやすい。ドライバーの非運転時を含めた健康モニタリングから、安全運転につながる要素が分かれば、ドライバーの健康状態に起因する交通事故を回避できる。ドライバーの高齢化が進む中で、健康で長く働ける環境整備につながると研究チームは期待している。

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