住友商事 金属資源のサプライチェーン透明化へ海外ベンチャーと連携

住友商事は2023年1月20日、イスラエルのスタートアップ企業Security Matters(SMX)と非鉄金属分野におけるグローバルな総代理店契約を締結したと発表した。分子レベルで物質に個別の目印を付けることが可能なSMXの独自技術を活用し、これまで困難だった金属資源のサプライチェーンの透明化を推進する。

SMXは2015年に設立。物質に個別のIDを付与し、それらをブロックチェーン(分散型台帳)上で管理することで、サプライチェーン全体の情報を一元的に管理できる画期的な技術を持つスタートアップ。対象物の状態(気体・液体・個体)を問わず、すべての物質に対応できる点が強み。

金属資源は製品化される段階で形状が変わってしまうため、他の製品のように原材料の動きを正確に把握・管理することは難しかった。分子レベルで適用可能なSMXの技術を用いることで、物質の形が変わっても目印を機能させることができるため、金属資源のサプライチェーンの透明化が可能になる。 

住友商事は今後、SMXの技術を用いて非鉄金属の原料となる鉱石や製品などに目印をつけ、サプライチェーン上の生産過程を把握・管理できるサービスを展開。また、自社が取り扱う金属資源にSMXの技術を適用し、事業の収益力・競争力向上を目指す。
ニュース2住友2301

ブロックチェーンを用いて非鉄金属の複雑なサプライチェーンを可視化