野田一夫・事業構想大学院大学初代学長の逝去をお悔やみ申し上げます

事業構想大学院大学初代学長の野田一夫先生が2022年9月3日に逝去しました。享年95。愛知県名古屋市出身で、1952年3月に東京大学文学部社会学科(産業社会学専攻)を卒業、1955年に立教大学に赴任してからは、ピーター・ドラッカーの著書「The Practice of Management」を「現代の経営」として邦訳出版し、日本における経営学の確立に尽力しました。

研究者として教育指導に尽力しながら、産業界にも影響を与え、アントレプレナーシップ教育の先駆けともなりました。同時に、ハーバード大学フェロー、日本総合研究所初代所長や一般社団法人ニュービジネス協議会初代理事長など財界の要職を兼務・歴任しました。立教大学を定年退職した後は、多摩大学初代学長、宮城大学初代学長となり、そのもとでは多くの経営者が教育を受け、また起業家も誕生しています。1989年の多摩大創設時には、教育重視を徹底させるため、日本の大学としていち早く「シラバス」「授業評価」を取り入れました。これらの詳細は、著書「悔しかったら、歳を取れ!」(幻冬舎)にまとめています。

事業構想大学院大学においては、設立準備の段階からその構想づくりにもかかわり、2012年~14年まで初代学長として、事業構想の人材育成に努めました。月刊事業構想では、サラリーマン経営者と創業型経営者の違いや、規模の大小よりクオリティの素晴らしい商品やサービスを創出する「オンリーワンの企業」を目指す重要性などを説いています(月刊事業構想2016年3月号2016年4月号参照)。

長年にわたる社会への貢献にあらためて感謝申し上げるとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。



野田先生2209
2012年4月 事業構想大学院大学開学パーティーでスピーチをする野田一夫先生