近畿大学、ウナギの産卵回遊行動を解明 完全養殖技術確立に貢献へ
(※本記事は「食品新聞」に2024年8月23日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の漁獲量は、乱獲や生育環境の変化により1960年代の1割以下の水準に減少。2013年には環境省が絶滅危惧種に指定している。
現在、日本で食べられるウナギの99%は天然の稚魚を使用した養殖によるが、卵からの完全養殖技術は仔魚の飼育技術・飼料の改良が困難で商業化には至っていない状況だ。こうした中、近畿大学農学部水産学科・渡邊俊准教授はニホンウナギの産卵回遊や生態の謎を解き明かし、完全養殖技術確立への貢献を目指している。
渡邊准教授は、2009年に世界で初めてニホンウナギの天然卵を発見した研究チームの一員でもあった。

渡邊俊准教授
「卵の発見で、ニホンウナギの産卵場は日本から約3千km離れた西マリアナ海嶺南端部の海域と特定された。ふ化した仔魚は北赤道海流と黒潮に乗って日本の沿岸域に運ばれ、河川・河口や湖沼で生育した後、再び海へ戻って産卵する。往路・復路合わせ約6千kmに及ぶ大回遊。どうやって産卵場にたどり着けるのか一昔前まで全く分からなかったが、技術革新がそれを一変した」という。
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