マスターカードがクレジットカード番号の廃止を検討 新時代の決済セキュリティ

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2025年2月3日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

マスターカードはクレジットカード番号の廃止を検討

マスターカードは、個人情報の盗難やカードの不正使用を撲滅するため、2030年までにクレジットカードとデビットカードから16桁の番号を削除する計画を発表した

現在カードの識別に使われている番号は、トークン化生体認証に置き換えられる。

2022年、マスターカードは、笑顔や手を振るだけで支払いができる生体認証オプションを追加した。

トークン化により、16桁のカード番号が別の番号(トークン)に変換され、デバイスに保存される。そのため、カードや電話をタップしたり、オンラインで支払いを行ったりしても、カード情報が共有されることがなくなる。

このナンバーレス・カードの最初の展開はAMP銀行との提携によるものだが、今後1年以内に他の銀行も追随することが予想される。

カードのセキュリティが重要な理由

銀行からカード決済の正当性を問う電話やメールを受け取った後の、沈んだ気分ほどつらいものはない。

2023年から2024年にかけてオーストラリアで発生したカード詐欺の総額は8億6800万豪ドルで、前年度の6億7750万豪ドルから増加した。

大企業や中小企業に影響を及ぼす大規模なデータ侵害では、クレジットカード番号や支払詳細が流出することが多い。

オーストラリアにおけるクレジットカード詐欺の被害額は、昨年度約2億ドル増加した。
オーストラリアにおけるクレジットカード詐欺の被害額は、昨年度約2億ドル増加した。

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