収穫量を増やす『魔法の肥料』はハエのふんから 化学肥料高騰への解決策に
(※本記事は『SciDevNet』に2025年2月25日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

アフリカ・マラウイにあるムズズ大学の研究者チームは、クロバエの一種であるブラックソルジャーフライ(黒兵隊バエ、アメリカミズバエ)の排せつ物ともみ殻由来のバイオ炭、コーヒーかすを組み合わせた有機肥料の開発を進めている。
【リロングウェ発】ファニー・ンドロヴ氏と同じ村の農家9名は、自分たちのバナナ畑が青々と成長する様子を目の当たりにし、衰退していた農業への希望を取り戻しつつある。
マラウイ北部のムジンバ地区では、ここ数年、農業生産量の減少が続いていた。
「この地域では、バナナやトウモロコシ栽培が生活の中心だが、近年は収穫量が減り続けてきた」とンドロヴ氏は語る。「どうやってこの状況を立て直せばいいのか、ずっと分からなかった」。
「このプロジェクトは、良質な家畜飼料の生産にも貢献する見込みだ」
ーマギー・ムンタリ=ンゴシ氏(リロングウェ・Mwapata研究所(マラウイの独立農業政策シンクタンク)研究員)
化学肥料の価格高騰は、小規模農家にとって大きな負担となっている。
ンゴシ研究員によれば、農家がなんとか化学肥料を購入できたとしても、気候変動やその他の要因により、生産性の低下は依然として続いているという。
魔法の肥料
「正直なところ、これまで打つ手がなかったが、『魔法の肥料』によってようやく突破口が見えてきた」ンドロヴ氏は当メディアに語った。
この「魔法の肥料」は、ムズズ大学と「Science Granting Councils Initiative(SGCI)」、そしてマラウイ科学技術国家委員会の共同プロジェクトによって生まれた。SGCIは、アフリカ各国の科学技術助成機関の能力強化を目的とする国際協力プロジェクトである。
ムズズ大学の研究者たちは、ブラックソルジャーフライの排せつ物、籾殻のバイオ炭、コーヒーかすを活用した有機肥料の開発に取り組んだ。
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