愛知県東郷町と中部国際空港、日揮HDらと廃食用油のSAF原料化で協定

愛知県東郷町と中部国際空港株式会社は、日揮ホールディングス株式会社(以下、日揮HD)、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYの3社と、廃食用油を持続可能な航空燃料(SAF)等の原料として資源化する協定を2026年2月16日に締結した。東郷町が地域で回収してきた廃食用油が、国産SAFの製造プロセスに直接つながる仕組みが整う。東郷町はあわせて、廃食用油由来のSAFで航空機を飛ばす世界を目指すプロジェクト「Fry to Fly Project」にも参画する。

協定では、廃食用油の回収、回収した油を用いたSAF等の製造、取り組みの情報発信を主な連携事項としている。東郷町が回収した廃食用油をレボインターナショナルが収集・輸送し、SAFFAIRE SKY ENERGYのSAF製造プラントで国産SAFの原料とする流れをとる。今回の協定は、中部国際空港が県内自治体である東郷町とSAFFAIRE SKY ENERGY側の3社を引き合わせたことで実現した。


東郷町はこれまで、町内2か所の資源回収ステーションで家庭から排出される廃食用油を回収する取り組みを進めてきた。家庭分が年間2,460リットル、町給食センター分が5,330リットルの回収実績をもち、バイオディーゼル燃料等に再利用してきたただし用途は限定していなかった。今回の協定により、これらの廃食用油はSAF原料という出口を得ることになる。今後は資源回収ステーション以外の回収拠点も民間事業者との連携を含めて検討するほか、広報紙や給食だよりを通じた住民への周知、Fry to Fly Projectの教育資料を活用した環境学習の充実にも取り組む。

SAFFAIRE SKY ENERGYは、日揮HDとレボインターナショナル、コスモ石油株式会社が2022年に設立した事業会社で、国内で発生する廃食用油のみを原料に年間約3万キロリットルのSAF供給を目指している。2024年12月にコスモ石油堺製油所(大阪府堺市)内でSAF製造装置の建設を完了し、2025年4月から供給を開始した。製造されたSAFは国際的な持続可能性認証「ISCC CORSIA」を取得しており、中部国際空港をはじめとする国内主要空港発の国際線旅客機・貨物機の燃料として使用される。中部国際空港も「Fry to Fly Project」や国産SAFの普及・拡大を目指す有志団体「ACT FOR SKY」に参画しており、廃食用油をSAFへ循環させる取り組みを推進してきた。

国は2030年に国内航空燃料の10%をSAFに置き換える目標を掲げており、原料となる廃食用油の安定確保が課題となっている。家庭や給食センターといった地域に分散する少量の廃食用油を、自治体・空港会社・製造事業者の連携で収集からSAF製造まで一貫してつなぐ今回の枠組みは、原料調達の裾野を広げるモデルケースとなりうる。