ビジネス誘致には「安全な街」作りが鍵かもしれない

※本記事は『THE CONVERSATION』に2025年4月8日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています。

ナッシュビル画像
ナッシュビルのダウンタウン。保守派は(リベラル派はそうではないが)この都市を全米で最も安全な都市の一つと見なしている。

米国の都市や州は、企業誘致のために税控除など数十億ドル規模のインセンティブを提供しています。これは、ビジネスに優しい環境を整えれば投資が進み、雇用創出や経済成長につながるという理論に基づいています。

この理論は一見もっともらしく思えますが、実際には「鶏と卵」のような関係があります。なぜなら、ビジネス投資は単に企業のニーズだけでなく、従業員がどこに住みたいかにも大きく影響されるからです。私たちの研究では、従業員が住む場所を選ぶ際、ビジネスフレンドリーな政策よりも、その地域でどれだけ安全だと感じられるかが重要であることが示されました。そして興味深いことに、人々のリスク認識は、犯罪統計のような客観的データよりも政治的な視点に大きく左右されることが分かりました。

この発見は、都市や企業にとって重要な示唆を含んでいます。もし人々が実際のリスクよりも主観的な「安全感」に基づいて住む場所や働く場所を選ぶのであれば、起業家や都市のリーダーは、従来の投資誘致戦略を見直す必要があるかもしれません。

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