英百貨店ジョン・ルイス、AIを活用し最低価格保証サービスを復活

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年9月16日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

ジョン・ルイス店舗前を歩く何人かの人々。
価格マッチングが再び始まる。 Copyright: Mankind 2k

それは、これまで非常に大胆な約束だった。イギリスの老舗百貨店、ジョン・ルイスは「どこよりも安く(never knowingly undersold)」という価格保証を掲げ、100年近くもその言葉を守り続けてきた。しかし、同社は2022年にその約束を撤回した。

そして2024年9月、再びその価格保証が戻ってきた。これまで同社は厳しい経済情勢で店舗閉鎖や人員削減を余儀なくされてきており、このおなじみのフレーズの復活で業績向上を期待しているのだ。

ジョン・ルイス・パートナーシップが発表した最新の決算では、今年上半期(1~6月)の赤字は昨年同期比で約49%減少していることが示された(※編集注:欧米の小売業では、特にクリスマスシーズンに大きな黒字を計上することが通例であり、上半期に赤字を計上していることは一般的である)。同社CEOのニッシュ・カンキワラ氏は、これまでの回復計画が効果を上げているとコメントしている。そして、続く計画の中心となるのが「どこよりも安く」というスローガンだ。これは、クリスマスに向けたイギリスの小売業界にとって最も重要な3ヶ月である「ゴールデンクォーター」に先駆けて、9月9日に正式に再導入された

しかし、この長年ジョン・ルイスのブランドアイデンティティと文化の一部であった価格保証は、果たして顧客を店舗に呼び戻し、あるいはオンラインサイトやアプリでの購入を促すことができるのだろうか?

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