最新研究:ガムの成分が低水温でのティラピアに成長効果 養殖限界地域での収益改善に
(※本記事は『SciDev.Net』に2024年10月11日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
チューインガムによく含まれる2つの成分が、ティラピアを低温に強くし、寒冷な季節における魚養殖の生産性向上に貢献する可能性があることを、研究者たちが発見した。
ティラピア養殖は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカにおいて、漁業従事者にとって重要な収入源であり、成長産業でもある。しかし、この魚は低水温耐性が問題になることがある。
ナイルティラピアはアフリカ原産の熱帯魚で、最適な水温は26〜30度である。気温が低下すると成長が遅れ、サイズが小さい魚しか生産できず、寒冷な時期には漁業者の利益が減少することになる。
アメリカ農務省の魚類生理学者であり、世界水産養殖学会(World Aquaculture Society)の次期会長であるウェンディ・シーリー氏は、「この研究は、ティラピアを極寒地域で養殖できるようにしようという話ではありません。養殖可能なギリギリのエリアでも充分大きく成長できるようにするためのものなんです」と語る。
今回、エジプトとフィリピンの研究者たちは、ナイルティラピアの餌にレシチンとアラビアガムを追加することで、冷水にさらされた際に代謝や酵素レベル、ミネラルのバランスを整える助けになることを発見した。
フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学のジャニス・ラガザ氏(この研究の共同著者)は、「この発見は、特に寒冷地域の養殖業者にとって実用的な解決策になります。生産性を高め、寒冷期における損失を減らす可能性があります」と述べている。
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