経産省 GXスタートアップのガイダンスを発表

経済産業省は、2024年3月29日、脱炭素と産業競争力強化・経済成長を同時に実現するGX(グリーントランスフォーメーション)に向けて取り組むスタートアップの新たな成長モデルの創出に向けたガイダンスを公表した。GXスタートアップは、事業化までの研究開発に大規模な資金を要し、その時間軸が長いという特徴があり、既存のスタートアップとは異なる戦略が求められる。

特に壁となるのが量産化前のミドル期で、製品ができないと売上見通しが立たず、売上が見込めなければ資金調達ができないというジレンマを乗り越えなければならない。その課題を解決する手段として、顧客による需要表明(LOI~オフテイク契約)や、スタートアップによる借入金の活用が挙げられる。今回のガイダンスでは、特に上記の2つの手段について、事例分析を元に具体的なメリットや実務上のポイントを周知しようとしている。

具体的には、GX分野特有の市場リスクを踏まえたLOI(Letter of Intent)などの需要表明手法や、期待収益率を踏まえたスタートアップ・ファイナンスの多様化等について、国内外の活用事例や実務上のポイント、成長ステージ等に応じた複数の「ひな形」などを示した。経産省では、日本のGXスタートアップは、他国と比べ社数・規模ともに後れを取っていると危惧している。同時に、GX分野では日本が一定の技術優位性を有していることから、同分野にはスタートアップの成長のポテンシャルがあるとも指摘している。

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