オフィスサービスを切り拓き、“積み上げ”で事業と信頼を構築

オフィスに置かれたコーヒーマシン。今では当たり前の光景だが、ダイオーズが⽇本で初めて提供したサービスだ。現在はオフィスサービスを総合的に⼿がけ、世界で事業を展開する。「売り切りのビジネスはしない」ことを貫き、半世紀にわたり同社を率いる⼤久保真⼀⽒に聞く。

大久保 真一(株式会社ダイオーズ 代表取締役社長)

欧米で単身修行、
日本のオフィスサービスを切り拓く

1969年創業のダイオーズは、日本で初めてオフィスコーヒーサービス(OCS)事業を展開したパイオニアである。20万社以上のオフィスにコーヒー、お茶、ボトルウォーターなどの飲料サービスや玄関マット、日常清掃など環境衛生サービスなどを提供するほか、北米に加え、中国やシンガポールなどのアジア・アセアン諸国にも展開するグローバル企業でもある。

代表取締役社長の大久保真一氏は、浅草の米屋の長男だった。学生時代から流通に関心をもち、日経新聞に週1回掲載される流通特集のページを熟読しては記事をスクラップし、学生時代は全日本学生写真連盟の委員長として全国を訪問する傍ら各地の繁盛店を自分の目で見て回った。卒業後は海外に出たいと思いながらも、広告会社に就職。その後、通産省(当時)が日本の流通業の近代化を進めるために欧米の成功企業の経営者を講師に招いた勉強会に参加する機会を得る。いつも最前列で話を聞くうち、自分の目で実際に見てみたいという欲求が強くなっていった。

「しかし、よほどのコネでもないかぎり、欧米で学ぶのは難しい時代でした。そこで講師として招かれた海外の経営者に、あなたの会社で勉強させてほしいと直談判したのです。何度もアタックするうちに、受け入れてもいいと言ってくれる経営者が現れました。それがすべての始まりです」と、大久保氏は当時を振り返る。

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