戸上電機製作所 モノづくりに徹する、100年息づく発明家のDNA

1925年の創業以来、配電制御機器メーカーとして電気の安定供給を支えてきた戸上電機製作所。開発・生産を支える技術力を強みに、環境関連機器やAIを活用したシステムの開発、海外展開など、常に新たな分野に挑んできた。創業100年を迎える同社の、次の100年へ向けた展望を聞く。

戸上 信一
(戸上電機製作所 代表取締役社長 社長執行役員)

自社開発と内製化を
可能にする技術力が強み

技術者であった初代が、配電自動化の先駆けとなる、世界初の「配電線用昼夜間自動切替開閉器」を発明したのが、戸上電機製作所の歴史の始まり。以来、各電力会社や高圧需要家に対し、開閉器などの電力システム機器・システム全体、探査・測定機器などを供給してきた。これらは電気エネルギーの安定供給に必要な機器やシステムであり、その企画開発から製造販売までを一気通貫で担う同社は「スイッチのTOGAMI」と評価されてきた。

「品質にこだわるモノづくりの力と、創業以来引き継がれてきた発明者精神。時代の変化に合わせ、必要なもの、新しいものを自ら生み出す力が当社の強みです」と同社社長の戸上信一氏は強調する。

直近では、これまでソフトウェア開発会社に委ねていた生産管理システムを内製化。システム変更などに伴う費用の大幅な削減に成功しただけでなく、自社で作り上げたソフトを「T-SERP」という商標で外販することも考えている。

新規事業では、「AIによる微地絡・地絡原因特定システム」の実証実験も進めている。地絡とは、電気回路が接地することで生じる漏電のこと。同システムは、AIを使用することで、高圧需要家構内における地絡の予兆(微地絡)や地絡事故の原因がケーブルかケーブル以外かを判断することができる。地絡発生個所の発見や、事故原因特定作業の効率化に繋がるものだ。また微地絡の監視により、予知保全として活用でき、突発的な地絡事故を未然に防止できるようになる。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り73%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。